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村上宗隆の他に「チーム三冠王」は1人だけ。千葉ロッテは、打率、本塁打、打点のチーム1位がそれぞれ違う

宇根夏樹ベースボール・ライター
村上宗隆 AUGUST 2, 2021(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

 今シーズン、村上宗隆(東京ヤクルト・スワローズ)は、セ・リーグの三冠王となった。当然ながら、打率.318、56本塁打、134打点のいずれも、チーム・トップだ。村上の他に、この3部門ともチーム1位の「チーム三冠王」は1人だけ。吉田正尚(オリックス・バファローズ)がそうだ。吉田のリーグ順位は、打率.335と88打点が2位、21本塁打は4位。チーム1位以外を含めても、3部門のいずれもリーグ・トップ5にランクインしている選手は、村上と吉田しかいない。

 一方、千葉ロッテ・マリーンズは、3部門の1位がそれぞれ違う。打率は.274の髙部瑛斗、本塁打は16本の山口航輝、打点は68の中村奨吾がトップだ。

 あとの9チームは、本塁打と打点の1位が同じ選手で、打率の1位が別の選手。チーム二冠王とチーム首位打者だ。

 41本塁打と90打点でパ・リーグ二冠王の山川穂高(埼玉西武ライオンズ)は、打率.266もチーム首位打者の源田壮亮とほぼ同じだが、源田は.2657…、山川は.2656…なので、わずかに源田のほうが高い。

 また、今宮健太(福岡ソフトバンク・ホークス)の打率.296は、チームで規定打席に達した選手のなかで最も高いが、チーム首位打者とすべきかどうかは判断が分かれるところだ。牧原大成は、規定打席に2打席足りなかったものの、打率.301を記録していて、不足分を2打数0安打として加えても、打率は今宮より上の.299となる。ちなみに、福岡ソフトバンクの規定打席以上は、今宮と柳田悠岐の2人だ。

 各スタッツのチーム1位は、以下のとおり。打率、出塁率、OPSは、規定打席以上を対象とした。スタッツの右は、リーグ順位だ。

筆者作成
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 同じチーム1位でも、その数値にはかなりの違いがある。例えば、セ・リーグのチーム出塁率1位の6人のうち、ライアン・マクブルーム(広島東洋カープ)の.352は、村上と比べると、106ポイントも低い(.001=1ポイントとして表記)。

 なお、昨シーズンは「チーム三冠王」が3人いたが、村上と吉田は、そこに含まれていない。昨シーズンのチーム1位については、こちらで書いた。

「今年の「チーム三冠王」は3人。広島東洋の鈴木誠也と福岡ソフトバンクの柳田悠岐と…。各球団の部門別1位」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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