Yahoo!ニュース

大型契約は二度死ぬ!? ジャイアンツに続きメッツも身体状態に懸念を抱き、早くも新たな球団が蠢動か

宇根夏樹ベースボール・ライター
カルロス・コレイア Sep 21, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 来シーズン、カルロス・コレイアは、どのユニフォームを着てプレーするのだろうか。

 今オフ、コレイアは、昨オフにミネソタ・ツインズと交わした3億1億530万ドルの契約をオプト・アウトし、13年3億5000万ドルの契約でサンフランシスコ・ジャイアンツに迎えられた。だが、正式な契約を交わす前に行った検査の結果、ジャイアンツが身体の状態に懸念を示し、入団会見は延期となった。その直後に、コレイアはニューヨーク・メッツと12年3億1500万ドルの契約で合意した。こちらも、まだ入団には至っていない。その理由は、右の足首にあるらしい。

 コレイアとメッツの契約は、白紙に戻ったわけではない。「3億ドル以上の契約は「2度目」も暗礁に乗り上げた!? 何が問題なのか、着地点はどこなのか」で書いたとおり、メッツと代理人のスコット・ボラスは、着地点を見つけようとしていると思われる。

 ただ、ニューヨーク・ポストのマイク・プーマは、この経緯を報じた記事のなかで「ここ数日の間に少なくとも3球団がコレイア陣営に接触」と記している。そのとおりだとすると、メッツとの交渉、契約の見直しがコレイア(とボラス)にとって満足できる結果にならなかった場合、メッツには入団せず、他の球団と契約を交わす可能性もある。

 今オフ3度目の契約合意も――仮にそうなったとしての話だが――3億ドル以上、あるいはそれに近い大型契約であってもおかしくない。とはいえ、1球団ではなく、2球団が身体の状態に懸念を抱いた点は無視できないはずだ。昨オフに続き、コレイアが得るのは、年平均額は高額ながら期間は短めの契約、ということもあり得る。そこには、オプト・アウトの権利も盛り込まれるだろう。来シーズン、健康であることを証明し、FA市場に出て、今度こそ長期契約を手にするためだ。

 ここ2シーズンは、それぞれ、148試合と136試合に出場している。その前の2020年は、チームの60試合中58試合だ。来シーズンの出場試合がここ2シーズンを下回らなければ、払拭とまではいかずとも、懸念は軽減されるのではないだろうか。来シーズンが終わっても、コレイアはまだ29歳だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事