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103マイル以上の投球を打ち返した長打は、2008年以降2本目。レギュラーシーズン初

宇根夏樹ベースボール・ライター
ヨーダン・アルバレス(ヒューストン・アストロズ)May 22, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月8日、8回表にベン・ジョイス(ロサンゼルス・エンジェルス)が投げ、ヨーダン・アルバレス(ヒューストン・アストロズ)が打ったボールは、ラインドライブを描き、左のファウル・ラインの内側でバウンドした。アルバレスは、全力疾走することなく、二塁に達した。

 スタットキャストによると、この投球は103.9マイル、打球は初速106.3マイルを記録した。投球の速度は、最も速い時点だが、まず間違いなく、リリースした直後が最速なので、こちらも初速ということになる。

 今シーズン、初速107マイル以上の打球は、2500以上を数える。長打に限っても、四桁に上る。オニール・クルーズ(ピッツバーグ・パイレーツ)が5月21日に打った二塁打――その試合の2本中2本目――は、初速121.5マイルを記録した。

 一方、103マイル以上の投球を打ち返した長打は、2008年以降の「ピッチ・トラッキング・エラ」において、2本しかない。1本目は、2010年のディビジョン・シリーズ第3戦に、アロルディス・チャップマン(当時シンシナティ・レッズ/現パイレーツ)が投げた104.2マイルの4シームを、カルロス・ルイーズが二塁打とした。

 103マイル以上の投球を捉えたシングル・ヒットもそう多くなく、11本にとどまる。こちらも、最速はチャップマン(当時シカゴ・カブス)の104.2マイル。2016年の8月7日と31日に、それぞれ、スティーブン・ボートフランシスコ・セベリが打った。ボートは、今シーズンから、クリーブランド・ガーディアンズで采配を振っている。

 アルバレスは、6月8日の試合で、103.9マイルの4シームを二塁打とする前に、二塁打とホームランを打った。今シーズンの二塁打は15本、ホームランは13本だ。各月の本数は、3・4月が3本と7本、5月が8本と2本、6月はすでに4本ずつ。今月の8試合は、打率.433と出塁率.528、OPS1.495を記録している。

 また、過去3シーズンの計88二塁打はこのスパンの39位タイだが、計101本塁打は8番目に多い。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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