ロシア軍のSu-57ステルス戦闘機が損傷か、駐機中にウクライナ軍が攻撃
6月9日にウクライナ国防省情報総局(GUR)は、ロシア軍の新型ステルス戦闘機「Su-57」が、最前線から589km離れたロシア領アストラハン州アフトゥビンスク航空基地で被弾したことを衛星画像で確認したと主張しました。
もしも事実ならば史上初の戦果で、まだ20機程度しか量産できていないロシア空軍の最新鋭戦闘機が駐機中にウクライナ軍の攻撃を受けて損傷を負ったことになります。衛星画像からはSu-57らしき航空機の付近に二つの至近弾の痕が確認できます。
Вперше уражено Су-57 | ГУР
※位置座標(48.301083, 46.201444)
- пошкоджений літак Су-57 損傷したSu-57航空機
- вирви від вибуху 爆発によるクレーター
- плями від горіння внаслідок вогневого ураження 火災による焼け跡
爆発によるクレーターと火災による焼け跡が二カ所確認できます。爆風破片で機体が損傷してしまう至近距離です。
これがデコイ(囮)の模型や地面に描いたペイントでなければ、もし本物のSu-57戦闘機であるならば、ロシア空軍にとって未だ量産が進まず数が少ない貴重な新型ステルス戦闘機が損傷するという大きな失態となります。
- 模型の可能性は低い(少なくとも風船式のデコイではない)
- ペイントの可能性は低い(陰影があるので平面の絵ではない)
アフトゥビンスク航空基地には実際に地面に囮の戦闘機の絵が描かれていることが確認されており、それと比較しても今回の衛星画像は立体的なので違っているように見えます。参考:Brady Africk (@bradyafr)
また今回の衛星画像を見るとSu-57らしき戦闘機を覆うように楕円の骨組みが連なっているように見えます。おそらくですが対ドローン用の網を骨組みに張ってあり、衛星画像の解像度では網が見えていないのではないかと思われます。もしこの機体がデコイ(囮)であるならば防護用の網を張ったりはしないでしょう。
ウクライナ国防省情報総局(GUR)は詳しい攻撃方法を今のところ説明していませんが、最前線から589km離れた場所であること、コンクリートに穿った爆発によるクレーターの大きさなどから、おそらく長距離ドローン攻撃であると見られます。