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横浜DeNA入団のアンバギーは「長距離砲」なのか。3年前にAAAで22本塁打

宇根夏樹ベースボール・ライター
クリス・ギッテンス(左)とトレイ・アンバギー Jul 16, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 12月23日、横浜DeNAベイスターズは、トレイ・アンバギーと契約を結ぶことで合意したと発表した。

 アンバギーは、28歳の外野手だ。メジャーリーグ出場は、2021年7月の2試合のみ。どちらも2打数0安打、三振と内野ゴロに終わった。マイナーリーグでは、7シーズンの計626試合で76本のホームランを打ち、打率.265と出塁率.318、OPS.753を記録している。

 タイラー・オースティン(横浜DeNA)は、マイナーリーグの通算652試合で84本塁打なので、アンバギーとそう変わらないようにも見える。だが、オースティンは、メジャーリーグで通算33本塁打を記録している。なかでも、2018年は、69試合で17本のホームランを打った。

 アンバギーのホームランの30%近くは、2019年にAAAで打ったものだ。124試合で22本塁打を記録した。打率と出塁率は.275と.329、OPSは.822だった。

 この年のインターナショナル・リーグで、アンバギーよりホームランが多かった選手は、19人いた(パシフィック・コースト・リーグもAAAだが、こちらは含めていない)。アンバギーは、本塁打ランキングの20位ということだ。また、21.4打数に1本塁打のペースは、20本塁打以上の29人中27位に過ぎなかった。

 ちなみに、中日ドラゴンズに入団したアリスティデス・アキーノも、この年にインターナショナル・リーグでプレーし、78試合で28本のホームランを打っている。そのペースは、10.5打数/本だ。AAAで打ちまくったアキーノは、夏にメジャーリーグへ昇格してからも、56試合で19本塁打とパワーを発揮した。こちらは、10.8打数/本のペースだった。

 なお、2019年のインターナショナル・リーグで20本以上のホームランを打った29人のなかには、日本プロ野球でプレーした選手が4人いる。アンバギーとアキーノは、5人目と6人目になる。

 ウィリン・ロサリオは、その前年に阪神タイガースで75試合に出場した。あとの3人は、今シーズンだ。パトリック・キブレハンが東京ヤクルト・スワローズ、ブライアン・オグレディが埼玉西武ライオンズ、ライアン・マクブルームは広島東洋カープでプレーした。彼らが2019年にインターナショナル・リーグで打ったホームランは、ロサリオが20本(20.7打数/本)、キブレハンが29本(14.2打数/本)、オグレディが28本(15.3打数/本)、マクブルームは26本(15.9打数/本)だ。

 4人とも、日本プロ野球では20本塁打に達していない。ただ、マクブルームの17本塁打は、この4人のなかでも、今シーズンの広島東洋においても、最も多かった。マクブルームは、来シーズン、日本プロ野球2年目を迎える。

 なお、上の写真からもわかるように、アンバギーがニューヨーク・ヤンキースでメジャーデビューした時、そこにはクリス・ギッテンス(現・北楽天ゴールデンイーグルス)もいた。

 アキーノについては、こちらで書いた。

「中日に入団するアキーノは、長距離砲なのか大型扇風機なのか。それとも両方!?」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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