1年前にノンテンダーとした投手を、年俸1000万ドルで呼び戻す。2020~21年は開幕投手
デトロイト・タイガースは、1年前にノンテンダーとしたマシュー・ボイドを呼び戻した。ニューヨーク・ポストのジョン・ヘイマンが、1年1000万ドルと出来高100万ドルの契約で合意に達したと報じている。
ボイドは、31歳の左投手だ。来年2月に32歳となる。2015年6月にメジャーデビューし、その翌月にトロント・ブルージェイズからタイガースへ移籍。それ以来、昨オフにノンテンダーとされてFAになるまで、タイガースの先発投手として140試合以上に登板した。2020年と2021年は、2年続けて開幕投手を務めた。
今シーズンは、1年520万ドルでサンフランシスコ・ジャイアンツに入団し、夏のトレードでシアトル・マリナーズへ移った。前年9月に左腕の手術を受け、移籍前の登板はなし。マリナーズではリリーフ投手として、8月にAAAで6登板、9月以降にメジャーリーグで10登板。それぞれ、防御率2.25と1.35を記録した。
契約からすると、タイガースは、先発投手としてボイドを起用する意向のようだ。実績がほとんどないリリーフ投手に対し、年俸1000万ドルは高すぎる。
ただ、先発マウンドに上がった2015~21年の7シーズン中、防御率が4.35を下回ったのは、15登板で防御率3.89の2021年しかない。2度の開幕投手は、エース不在のなか、消去法によって決まったように見える。タイガースは、2017年から負け越しのシーズンが続いていて、2017~20年の勝率はいずれも.400に届かなかった。
とはいえ、今のところ、ボイドのローテーション入りはほぼ確実だろう。確定しているのは、エデュアルド・ロドリゲスとマット・マニングの2人だけだ。スペンサー・ターンブルとケーシー・マイズは、それぞれ、昨年7月と今年6月にトミー・ジョン手術。タリック・スクーバルも、今年8月に肘の手術――トミー・ジョン手術ではない――を受け、開幕には間に合いそうにない。ビュー・ブリスキーとジョーイ・ウェンツは、今シーズンがメジャーリーグ1年目だった。2人合わせても、115イニングに達してない。
なお、今年9月にタイガースの編成責任者となったスコット・ハリスは、それまでの3年間、ファーハン・ザイディの下、ジャイアンツでGMを務めていた。ボイドは、昨オフに続いて今オフも、ハリスのいる球団と契約を交わしたことになる。