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2年連続リーグ1位のスタッツ。村上宗隆と吉田正尚だけでなく、塩見泰隆、中村奨吾、甲斐拓也らも

宇根夏樹ベースボール・ライター
吉田正尚 AUGUST 2, 2021(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

 村上宗隆(東京ヤクルト・スワローズ)の連続リーグ1位は、昨シーズンが39本、今シーズンは56本のホームラン――昨シーズンは岡本和真(読売ジャイアンツ)とタイ――にとどまらない。塁打、四球、四球率は、2年連続ではなく、2020年から3年連続1位だ。各シーズンの塁打は、248、283、346。今シーズンの数値は、2002年の松井秀喜と並び、歴代11位に位置する。四球は、87と106に、歴代19位タイの118。こちらは、2014年のアンドルー・ジョーンズと並んだ。王貞治を除くと、1シーズンに118四球以上は、村上が7人目となる。四球率は、16.9%、17.2%、19.3%だ。

 村上のチームメイト、塩見泰隆も、連続リーグ1位のスタッツがある。昨シーズンの10死球に続き、今シーズンは12死球を記録した。昨シーズンは1位タイ。こちらもチームメイトの青木宣親が、同じく10度ぶつけられた。

 パ・リーグでは、吉田正尚(オリックス・バファローズ)の連続1位が際立つ。出塁率もOPSも、2年連続1位だ。それぞれの数値は、出塁率が.429と.447、OPSは.992と1.008。ただ、OPS1.000以上は今シーズンが初めてだが、出塁率は自己最高ではない。2020年に.453を記録している。この年は2位。上には.465の近藤健介(北海道日本ハム・ファイターズ)がいた。また、吉田の三振率は、3年続けて最も低い。5.9%、5.7%、8.1%だ。

 一方、吉田のチームメイト、紅林弘太郎は、出塁率とOPSのどちらも、2年続けてリーグ・ワーストに位置した。昨シーズンが出塁率.251とOPS.603、今シーズンは.275と.593だ。吉田と紅林とともにプレーした福田周平は、ISOが2年連続ワースト。.047と.051を記録した。なお、ISOの計算式は「長打率-打率」だ。長打率ではなくISOを用いる理由を簡単に説明すると、例えば、すべてシングル・ヒットで10打数10安打なら、長打率は「塁打÷打数」なので、打率と同じ1.000になる。それに対し、この場合のISOは.000だ。

 他に、浅村栄斗(東北楽天ゴールデンイーグルス)は、昨シーズンの101四球と今シーズンの92四球が2年連続1位。中村奨吾(千葉ロッテ・マリーンズ)は、8犠飛と9犠飛がそうだ。甲斐拓也(福岡ソフトバンク・ホークス)は、3年続けて犠打が1位。2020年の22犠打は1位タイ、昨シーズンの26犠打は2位と3本差。今シーズンの38犠打は2位より16本多かった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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