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大谷翔平とチームメイトだった選手はWカード・シリーズに7人。初出場のマーシュは初安打&初打点

宇根夏樹ベースボール・ライター
ブランドン・マーシュ(中央)/右はカイル・シュワーバー Oct 7, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ポストシーズンの最初のラウンド、ワイルドカード・シリーズが始まった。各チームのロースターに名を連ねる計208人(26人×8チーム)のなかには、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)とチームメイトだった選手が7人いる。

 アンソニー・バス(トロント・ブルージェイズ)は、2016年に北海道日本ハム・ファイターズで、大谷とともにプレーした。当時の登録名は、バスではなくバースだった。今シーズン、バスはマイアミ・マーリンズとブルージェイズで投げ、移籍の前後とも防御率1点台を記録した。

 あとの6人は、エンジェルス時代のチームメイトだ。フィラデルフィア・フィリーズの2人、ブランドン・マーシュノア・シンダーガードは、今年の夏にエンジェルスから移籍した。動いたのは別のトレードだが、どちらも、成立したのはデッドラインの8月2日だ。

 マーシュは、ワイルドカード・シリーズ第1戦の8回表に、代打として起用され、ポストシーズン初出場を果たした。初打席は三振を喫したものの、そのまま、センターの守備につき、9回表の2打席目にタイムリー・ヒットを打った。三塁手のノーラン・アレナード(セントルイス・カーディナルス)が捕り損なった感もあるが、ヒットはヒットだ。

 この回、フィリーズは6点を挙げ、0対2から6対2と逆転した。マーシュの初打点は、リードを2点から3点に広げた。フィリーズは、その裏に1点を返されたが、11年ぶりにポストシーズンの試合で白星を挙げた。

 シンダーガードは、第1戦には登板しなかった。このシリーズで投げるとすれば、ブルペンからマウンドに上がるはずだ。

 一方、フィリーズに逆転負けを喫しカーディナルスは、大谷とチームメイトだった選手を、フィリーズより多く擁する。アルバート・プーホルスパッキー・ノートンホゼ・キンターナがそうだ。彼らは、2021年にエンジェルスでプレーしたことが共通する(プーホルスは2012年から)。ただ、3人が揃った時期はない。

 ノートンは、昨年8月にメジャーデビューし――この時、プーホルスはすでにロサンゼルス・ドジャースでプレーしていた――今年3月にDFAとなった――アーチー・ブラッドリーの加入により、40人ロースターから外された――ところへ、カーディナルスが獲得の名乗りを上げた。

 今シーズン、キンターナは、防御率6点台の昨シーズンとは対照的だった。3年ぶりに規定投球回をクリアし、自己ベストとなる防御率2.93を記録した。夏のトレードでピッツバーグ・パイレーツからカーディナルスへ移籍後は、先発12登板で防御率2.01。ワイルドカード・シリーズの第1戦も、5.1イニングを投げ、フィリーズに得点を許さなかった。

 他には、ルイス・ガルシア(サンディエゴ・パドレス)が、2019年にエンジェルスで投げている。こちらは、ワイルドカード・シリーズ第1戦の9回裏に登板し、2死一、三塁とされながらも、無失点で試合を終わらせた。

 なお、ポストシーズンのロースターに入る、大谷とチームメイトだった選手は、この7人にとどまらない。各リーグの地区優勝3チームのうち、勝率が上の2チームは、ワイルドカード・シリーズを経ずに、ディビジョン・シリーズからスタートする。ヒューストン・アストロズにはマーティン・マルドナード、ドジャースにはクリス・マーティンアンドルー・ヒーニー、アトランタ・ブレーブスにはライセル・イグレシアスジェシー・チャベスがいる。

 マーティンは、2016~17年に北海道日本ハムで投げた。チャベスは、この夏、ブレーブス→エンジェルス→ブレーブスと動いた。ブレーブスからエンジェルスには、イグレシアスの交換要員として、タッカー・デビッドソンとともに移籍した。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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