Yahoo!ニュース

50本塁打に到達後、さらに本数を増やしたのは10人。村上宗隆は残り24試合で…

宇根夏樹ベースボール・ライター
村上宗隆 Jul 31, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 9月2日、村上宗隆(東京ヤクルト・スワローズ)は、3回裏にホームランを打ち、史上延べ15人目となるシーズン50本塁打に到達した。その前の14人目は、2013年のウラディミール・バレンティンだ。9年前のバレンティンと今シーズンの村上は、どちらも、東京ヤクルトの選手として、ホームの明治神宮野球場で、中日ドラゴンズの投手から、シーズン50本目のホームランを記録した。

 50本塁打に到達した選手のうち、1977年の王貞治、1986年の落合博満、2002年の松井秀喜、2003年のアレックス・カブレラは、そこから本数を増やすことなく――それでも、素晴らしい記録であることは間違いないが――シーズンを終えた。

 あとの10人は、50本+5本未満(=51~54本)が6人、50本+5本(=55本)が3人、50本+10本(=60本)が1人だ。下の表は、彼らが、50本目以降の各ホームランをチームの何試合目に打ったのかを示している。例えば、1963年に52本塁打の野村克也は、50本目と51本目が南海ホークスの149試合目、最後の1本(52本目)はシーズン最終戦(150試合目)だ。

筆者作成
筆者作成

 村上が50本塁打に到達したのは、東京ヤクルトの119試合目なので、2013年のバレンティン(111試合目)と2002年のカブレラ(117試合目)に次ぐ。この2人が、開幕から119試合――出場試合ではなく、チームの試合――で記録したホームランは、それぞれ、52本と51本だった。

 また、今シーズン、東京ヤクルトは、24試合を残している。村上は、ここから欠場しなければ、あと24試合に出場するということだ。50本塁打に到達した試合を終えた時点で、2013年のバレンティンは残り33試合、2002年のカブレラは残り23試合。シーズン全体で50本塁打ちょうどの4人を含め、残りが20試合以上の選手は、他にはいない。

 村上は、東京ヤクルトが8月3日~9月2日に行った、直近の24試合中23試合に出場し、このスパンに11本のホームランを打っている。

 ちなみに、メジャーリーグでは、アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)が51本塁打を記録しているが、50本目のホームランを打ったのは、ヤンキースの129試合目だ。メジャーリーグと日本プロ野球の違いはあるものの、村上の50本目は、ジャッジより10試合速い。

 メジャーリーグでシーズン50本目が速かった選手については、こちらで書いた。

「ジャッジの「129試合で50本塁打」は史上7番目の速さ。トップ6のうち、60本に届かなかったのは…」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事