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ジャッジの「129試合で50本塁打」は史上7番目の速さ。トップ6のうち、60本に届かなかったのは…

宇根夏樹ベースボール・ライター
アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)Aug 29, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 8月29日、アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)は、シーズン50本目のホームランを打った。ヤンキースの129試合目だ。

 今から5年前に、ジャッジは52本塁打を記録した。この時の50本到達は、156試合目。それと比べると、今シーズンは27試合も速い。

 現在はジャッジのチームメイトであるジャンカルロ・スタントンも、5年前に50本塁打を超え、こちらは、60本塁打まであと1本に迫った。当時、マイアミ・マーリンズにいたスタントンが50本塁打に到達したのは、今シーズンのジャッジと同じ129試合目だった。

 50本目のホームランを打ったのが、2017年のスタントンと今シーズンのジャッジよりも速かった延べ6人のうち、60本塁打に届かなかったのは、1921年に59本塁打のベーブ・ルースだけだ。101年前にルースがプレーしていたヤンキースは、レギュラーシーズンに153試合を行った。今日のように162試合であれば、60本目のホームランを打っていたかもしれない。

筆者作成
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 ちなみに、60本塁打以上の延べ8人中、50本に達したのが最も遅かったのは、1927年のルースだ。138試合で50本のホームランを記録し、そこから、さらに10本を積み上げた。この年のヤンキースは、155試合を行った。ルースは、154試合目にシーズン最後のホームランを打ち、史上初の60本塁打に到達した。

 今シーズン、ヤンキースは、あと33試合を残している。ジャッジは、7月24日以降の直近33試合中32試合に出場し、14本のホームランを打っている。その前の33試合(6月17日~7月23日)は、出場32試合で11本塁打。もう一つ前の33試合(5月12日~6月16日)は、出場32試合で15本塁打だ。欠場の他に、ジャッジの60本塁打を阻むものはないように思える。

 なお、日本プロ野球では、村上宗隆(東京ヤクルト・スワローズ)が50本塁打にリーチをかけている。史上何番目の速さで50本塁打に到達しそうなのかについては、こちらで書いた。

「村上宗隆が今日ホームランを打てば「117試合で50本塁打」は史上2番の速さ」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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