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マイナーリーガーが「サイクル本塁打」を達成する。史上2度目。各本塁打の順序は史上初と同じ

宇根夏樹ベースボール・ライター
サイクル本塁打は、1試合に、ソロ、2ラン、3ラン、グランドスラムを打つこと(写真:イメージマート)

 8月10日、セントルイス・カーディナルスのAA、スプリング・フィールド・カーディナルスのチャンドラー・レドモンドが、サイクル本塁打を達成した。「7番・一塁」として出場し、シングル・ヒットと三振に続いて4本のホームラン、2ラン、グランドスラム、ソロ、3ランを打った。

 判明している限りでは、マイナーリーグ史上2度目のサイクル本塁打だ。1998年7月27日に、アーカンソー・トラベラーズのタイロン・ホーンが記録している。トラベラーズも、当時はカーディナルスのAAだった。対戦チームと球場は異なるが、2ラン、グランドスラム、ソロ、3ランの順序も共通する。

 2人は、どちらも左打者だ。また、ホーンは、ノースカロライナ州の高校からプロ入りした。レドモンドは、ノースカロライナ州の大学からだ。ドラフト順位の低さも、彼らは似ている。それぞれ、1989年の44巡目・全体1135位(モントリオール・エクスポズ)と2019年の32巡目・全体965位(カーディナルス)だ。

 ホーンは、マイナーリーグで10年以上を過ごした。メジャーデビューすることはできず、韓国(2000年)と独立リーグ(2000~01年)でプレーした後、選手生活を終えた。

 ただ、レドモンドのキャリアは、まだ始まったばかりだ。2019年はルーキーリーグの54試合で12本塁打を記録し、マイナーリーグ全体が中止となった2020年を挟み、今シーズンはA+とAAの計96試合で18本のホームランを打っている。

 なお、メジャーリーグ(ナ・リーグとア・リーグ)において、サイクル本塁打を記録した選手は、まだいない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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