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ジャッジが逃した「40本塁打以上&二桁盗塁・成功率100%」。達成者は1人だけ

宇根夏樹ベースボール・ライター
アーロン・ジャッジ(手前)とイサック・パレイデス May 26, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 8月9日、アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)は、7回表に先頭打者として四球で出塁し、2死から二盗を試みてアウトになった。今シーズン初の盗塁死だ。それまで、ジャッジは、44本のホームランを打つだけでなく、11盗塁を決め、盗塁死は一度もなかった。

 ベースボール・リファレンスによると、1シーズンに40本塁打以上と10盗塁以上を記録し、盗塁死がゼロだった選手は、1996年に48本塁打&11盗塁のアルバート・ベルしかいないという。ちなみに、ベースボール・リファレンスがニュースレターでこのデータを配信した時、ジャッジは2人目になる可能性があった。そこから24時間経たず、二盗に失敗した。

 8月9日を終えて、20本塁打以上&盗塁死ゼロは10人いるが、そのうちの9人は3盗塁かそれよりも少ない(3人は0盗塁)。残る1人のポール・ゴールドシュミット(セントルイス・カーディナルス)は、26本塁打&5盗塁なので、ベルに続く史上2人目の「40本塁打以上&二桁盗塁・成功率100%」となるには、盗塁死ゼロを継続したまま、あと14本塁打と5盗塁が必要だ。

 一方、10盗塁以上で成功率100%は5人。トレバー・ストーリー(ボストン・レッドソックス)が15本塁打&10盗塁、J.T.リアルミュート(フィラデルフィア・フィリーズ)が13本塁打&13盗塁、マイケル・ハリス2世(アトランタ・ブレーブス)が10本塁打&12盗塁、ティム・アンダーソン(シカゴ・ホワイトソックス)とジョシュ・ロハス(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)は6本塁打&13盗塁だ。

 なお、昨シーズン、ゴールドシュミットは「30本塁打以上&二桁盗塁・成功率100%」を記録している。31本塁打&12盗塁、盗塁死ゼロだ。こちらは、同じくベースボール・リファレンスによると、他に3人。2008年に31本塁打&10盗塁のジェイソン・ベイ、2009年に31本塁打&23盗塁のチェイス・アトリー、2017年に31本塁打&10盗塁のトラビス・ショウがそうだ。ベルとゴールドシュミットを含めた5人のなかで、アトリーの盗塁は群を抜いて多く、ゴールドシュミットは2度記録すれば史上初となる。

 ジャッジとゴールドシュミットは、今シーズン、それぞれのリーグでMVPに選ばれてもおかしくない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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