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完封勝利のラスト・イニングを「野手」が締めくくる

宇根夏樹ベースボール・ライター
ウィル・スミス(左)とハンサー・アルベルト Jul 28, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 7月28日にクアーズ・フィールドで行われた試合は、9回の表も裏も、野手がマウンドに上がった。捕手のブライアン・サーベン(コロラド・ロッキーズ)と内野手のハンサー・アルベルト(ロサンゼルス・ドジャース)が、どちらも1イニングを投げた。

 サーベンは、先頭打者を歩かせたものの、続く2人を併殺打と外野フライに討ち取った。アルベルトは、先頭打者のサーベンを外野フライに仕留めた後、2人目と3人目に続けてヒットを打たれた。どちらも無失点だが、内容はサーベンが勝る。

 けれども、トリビアとなったのは、アルベルトのほうだ。

 ドジャースは、13対0で勝利を収めた。ESPNスタッツ&インフォによると、1961年以降の「エクスパンション・エラ」における完封勝利のうち、野手が登板して最後を締めくくったのは3度目だという。2019年8月27日のドジャース(9対0)と、今月12日のサンフランシスコ・ジャイアンツ(13対0)に続く。対戦相手も含め、3試合ともナ・リーグ西地区のチームだ。最初の2試合は、それぞれ、捕手のラッセル・マーティンと外野手のルイス・ゴンザレスが投げた。

 一方、サーベンは、今シーズンのメジャーデビュー直後に、史上初の記録を作っている。出場2試合目の5月21日(ダブルヘッダー2試合目)に、メジャーリーグ1本目と2本目のホームランを打った。2ランが2本だ。こちらは、ロッキーズのゲーム・ノーツによると、キャリア最初の2本塁打を同じ試合で記録した選手はいるが、2本ともソロではなかったのは、サーベンが初めてだという。

 なお、サーベンは初登板、アルベルトは通算5登板目だ。2019年にボルティモア・オリオールズで1登板、2021年にカンザスシティ・ロイヤルズで1登板。そして、今シーズンは3登板。オリオールズとロイヤルズではモップ・アップ(敗戦処理)として投げたが、ドジャースでは3度とも大量リードの場面で登板し、いずれも勝利の瞬間をマウンドで迎えている。今シーズンの防御率は3.00だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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