ソト放出後の「穴埋め」は準備OK。28歳のオールスター外野手と契約
7月22日、ワシントン・ナショナルズは、デビッド・ダールとマイナーリーグ契約を交わした。
ダールは、28歳の外野手だ。10年前のドラフトでコロラド・ロッキーズから全体10位指名を受け、2016年の夏にメジャーデビューすると、1試合目から17試合目までヒットを打ち続けた(「ロッキーズに現れたもう一人のルーキー。デビューからの連続安打試合で75年前の史上最長記録に並ぶ」)。2019年は100試合に出場し、規定打席の約80%ながら、打率.302と出塁率.353、15本塁打、OPS.877を記録した。この年の夏には、オールスター・ゲームに選ばれた。
ただ、その後は不振に陥り、今シーズンは、ミルウォーキー・ブルワーズ傘下のAAAでプレーしていた。67試合で打率.294と出塁率.357、9本塁打、OPS.825を記録したが、昇格の声はかからず、7月11日に解雇された。
ナショナルズは、8月2日のトレード・デッドラインまでに、ホアン・ソトを放出するつもりらしい。このトレードが実現すれば、ダールは、ソトが抜けたライトを守ることになりそうだ。左打者という点も、2人は共通する。
ナショナルズが手放そうとしている選手は、ソトだけではない。先発投手のパトリック・コービンを売ることができるかどうかはさておき(「ホアン・ソトに「抱き合わせトレード」案が浮上。大谷翔平とあの選手のセットもあり!?」)、一塁手のジョシュ・ベルとDHのネルソン・クルーズは、今オフにFAとなる。
ソトを放出したナショナルズは、再建に入るはずだ。ポストシーズン進出を狙えるようになるまでには、数年かかるのではないだろうか。ダールは、次代のチームを担う選手として入団したわけではなく、今シーズンの残り試合における、穴埋めに過ぎない。例えば、ソトと交換に得るプロスペクトのなかに外野手がいたとしても、ここで昇格させ、FAまでの日数を減らすのはもったいない。
とはいえ、ダールにとっては、チャンスとなる。メジャーリーグでプレーして結果を残せば、約2ヵ月のスパンとはいえ、まだ20代ということもあり、今オフにメジャーリーグ契約を手にしてもおかしくない。