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今年のドラフトで指名された異色の2人。「身長7フィート」と「両投げの投手」

宇根夏樹ベースボール・ライター
今年のドラフトは、7月17日~19日に行われた Jul 17, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今年のドラフトで、ボルティモア・オリオールズは、13巡目・全体377位にジャレッド・ベックを指名した。セント・レオ大の左投手だ。

 メジャーデビューすれば、その時点で、ベックは球史を塗り替える。ジョン・ラウシュショーン・ジェリー(サンフランシスコ・ジャイアンツ)に代わって、史上最も背の高いメジャーリーガーとなる。ラウシュとジェリーの身長は6フィート11インチ(約210.8cm)、ベックの身長は7フィート(約213.4cm)だ。今年5月にデビューしたジェリー(と高身長の選手たち)については、「「史上最も背の高い選手」に並ぶ選手が、メジャーデビューする。その身長はランディ・ジョンソンより高く…」で書いた。

 一方、ミルウォーキー・ブルワーズが18巡目・全体552位に指名した、ジュランジェロ・セインジャの身長は、5フィート11インチ(約180.3cm)だ。

 もっとも、高校生投手のセインジャが異彩を放つのは、身長ではない。セインジャより背の低いメジャーリーガーはいるし、今年のドラフトでも、5フィート11インチ未満の選手が何人も指名されている。

 セインジャは、右でも左でも投げるスイッチ・ピッチャーだ。こちらは、メジャーデビューしても史上初にはならない。最近では、2015~16年と2018~20年に、パット・ベンディティーが通算61試合に登板している。ただ、セインジャは、プロとして打席に立つことはないかもしれないが、スイッチ・ヒッターでもある。両打ち両投げの選手が過去にいたかどうかは不明ながら、ベンディティーは左打者だった。メジャーリーグでは、1度だけ打席に立ち、三振を喫した。

 なお、セインジャのプロ入りは、数年後になりそうだ。奨学金を得てミシシッピ州立大へ進むことが決まっていて、ドラフトで指名された直後には、進路を変更するつもりがないことをツイートで示唆している。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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