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完全試合に2度迫った投手たち。最後の達成者が出た後、あと6アウト以下が2試合はカーショウが5人目

宇根夏樹ベースボール・ライター
クレイトン・カーショウ(ロサンゼルス・ドジャース)Jul 15, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 7月15日、クレイトン・カーショウ(ロサンゼルス・ドジャース)は、完全試合まで6アウトに迫った。8回裏の先頭打者、ルイス・レンヒーフォ(ロサンゼルス・エンジェルス)に二塁打を打たれるまで、延べ21人をいずれも討ち取った。

 メジャーリーグ(ナ・リーグとア・リーグ)における完全試合は、アーマンド・ガララーガの「幻の完全試合」を含めずに23度。最後に達成したのは、2012年8月15日のフェリックス・ヘルナンデスだ。ESPNスタッツ&インフォは、フェリックスの達成後、完全試合まで6アウト以下に迫った投手は、カーショウが延べ21人目、とツイートしている。

 カーショウは、今シーズン初登板の4月13日に続く2度目だ。3ヵ月前の試合は、パーフェクトのまま降板し、代わって8回裏のマウンドに上がったアレックス・ベシアが、2人目の打者にヒットを打たれた。あと5アウトのところで、継投による完全試合は潰えた。交代の理由については、「完全試合まであと2イニングの投手を降板させた理由は、どこにあるのか」で考察した。

 延べ21人中、完全試合まで6アウト以下が2度は、カーショウだけではない。ESPNスタッツ&インフォによると、マックス・シャーザー(現ニューヨーク・メッツ)、コルビー・ルイスリッチ・ヒル(現ボストン・レッドソックス)、マディソン・バムガーナー(現アリゾナ・ダイヤモンドバックス)の4人も、それぞれ2度だという。

 ただ、スタッツ・バイ・スタッツは、1シーズンに2度、少なくとも7イニングを投げ終えるまで完全試合を継続は、ここ40年間でカーショウだけ、とツイートしている。シャーザーら4人は、1シーズンに1度ずつ、計2度ということだ。

 なお、カーショウは、2014年6月18日にノーヒッターを達成している。この試合も、完全試合に近かった。

 完全試合の達成まで6アウト以下に迫ったわけではないが、アウトにできなかったのは、7回表の先頭打者のみ。遊撃手の悪送球により、セーフになった。当たり損ねの緩いゴロで、タイミングは微妙ながら、送球が逸れていなければ、アウトだったと思われる。カーショウは、その前の18人とその後の9人をいずれも討ち取った。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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