Yahoo!ニュース

ここ2ヵ月にエンジェルスより負けているチームはあるのか。55試合で勝率.309

宇根夏樹ベースボール・ライター
マイク・トラウト(ロサンゼルス・エンジェルス)Jun 18, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 7月10日、ロサンゼルス・エンジェルスは、5対9で敗れ、ボルティモア・オリオールズにスウィープされた。6月28日以降の11試合中、エンジェルスが白星を挙げたのは、大谷翔平が登板した2試合しかない。

 直近の2ヵ月、5月11日~7月10日の55試合は、勝率.309(17勝38敗)だ。ナ・リーグを含め、このスパンの勝率がエンジェルスよりも低いチームは、勝率.304(17勝39敗)のオークランド・アスレティックスだけ。他28チームの勝率は.350を超えている。

 昨オフ、アスレティックスはファイヤー・セールを催し、打線の中軸を担っていた一塁手と三塁手(マット・オルソンマット・チャップマン)に、防御率3点台の先発投手2人(クリス・バシットショーン・マネイア)を、トレードで放出した。一方、エンジェルスは、マイク・トラウトと大谷を擁している。

 ちなみに、エンジェルスの14連敗がスタートした5月25日以降のスパンも、両チームは勝率ワースト2に位置する。ただ、順位は入れ替わる。エンジェルスは勝率.256(11勝32敗)、アスレティックスは勝率.262(11勝31敗)だ。

 また、14連敗が止まった6月9日以降は、エンジェルスがワースト5位の勝率.379(11勝18敗)、アスレティックスはワースト2位の勝率.310(9勝20敗)ながら、こちらのスパンも、ア・リーグに限ると両チームがワースト2だ。

 7月12日から、エンジェルスは、ヒューストン・アストロズと3試合を行う。アストロズは、エンジェルスとアスレティックスと同じア・リーグ西地区にいて、首位を独走中。エンジェルスには7勝3敗と大きく勝ち越している。アスレティックスには5勝1敗だ。

 続いて、エンジェルスは、ロサンゼルス・ドジャースと2試合で顔を合わせ、オールスター・ブレイクを迎える。ドジャースのシーズン勝率.659(56勝29敗)は、ナ・リーグで最も高く、6月14日~15日の2試合とも、エンジェルスに勝っている。さらに、オールスター・ブレイク後、エンジェルスは、アトランタ・ブレーブスと3試合を行う(今シーズンの対戦はこの3試合のみ)。ブレーブスの順位はナ・リーグ東地区の2位だが、シーズン勝率.598(52勝35敗)はドジャースとニューヨーク・メッツに次ぎ、ナ・リーグで3番目に高い。

 コンテンダーの3チーム、アストロズ、ドジャース、ブレーブスと対戦する、ここからの8試合で大きく負け越せば、エンジェルスが今秋のポストシーズンへ進む可能性は、まずなくなる(現時点でも、かなり低い)。GMの判断よりもオーナーの意向次第だろうが、夏のトレード市場では売り手に回り、ノア・シンダーガードらを放出すべきだろう。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事