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同日の15試合中5試合がサヨナラで決着。エンジェルスよりも奇妙なサヨナラ負けを喫したのは…

宇根夏樹ベースボール・ライター
マット・ウィスラー(タンパベイ・レイズ)Jul 8, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 7月8日に行われた15試合のうち、3分の1の5試合は、ウォーク・オフ(サヨナラ)で勝負がついた。

 サヨナラ負けを喫した5チーム中、最も勝利に近づいたのは、ロサンゼルス・エンジェルスだ。2点のリードで9回裏を迎え、ライセル・イグレシアスは、最初の2人をアウトに仕留めた。あと1アウトを取れば、試合終了となる。ところが、3人目以降に4本のヒット――単打、二塁打、単打、単打――を続けて打たれ、逆転された。

 シカゴ・カブスも、9回裏が始まった時点ではリードしていたが、1死から犠牲フライで同点に追いつかれた。なので、カブスが近づいたのは、勝利まであと2アウトだ。

筆者作成
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 ただ、奇妙なサヨナラ負けという点では、エンジェルスよりもタンパベイ・レイズのほうが上だろう。1対1の10回裏、無死二塁から送りバントと四球により、1死一、三塁となった後、マット・ウィスラーがボークを犯し、三塁走者に生還された。ウォーク・オフならぬ、ボーク・オフといったところだ。

 イライアス・スポーツ・ビューローによると、1920年以降のウォーク・オフ・ボーク(サヨナラ・ボーク)は、これが23試合目だという。レイズは、100年以上のスパンにおいて、ボークでサヨナラ負けを喫した23チームということになる。

 なお、イグレシアスが4人以上に続けてヒットを打たれたのは、先発登板を含めても、キャリア初。一方、ウィスラーのボークは、通算8度目だ。2人は、どちらも2015年にメジャーデビューした。2018年には、シンシナティ・レッズでブルペンメイトだったこともある。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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