6月27日、チャド・クール(コロラド・ロッキーズ)は、9イニングを一人で投げきり、ロサンゼルス・ドジャースに得点を許さなかった。試合は、4対0でロッキーズが勝利を収めた。3点目と4点目は、ホゼ・イグレシアスのシーズン初本塁打によるものだ。

 ロッキーズのゲーム・ノーツによると、クアーズ・フィールドで完投&完封は、クールが延べ27人目(トム・グラビンが2度)だという。クアーズ・フィールドは、1995年4月26日にオープンした。

 また、クールは、ヒットを3本しか打たれなかった。ベースボール・リファレンスは、クアーズ・フィールドで被安打3本以下の完投&完封は、クールが10人目と謳っている。被安打ゼロは、1996年9月17日の野茂英雄だけだ。

 これだけでも、かなりレアだが、投球数があと3球少なければ、クールは「マダックス」も達成していた。マダックスとは、100球未満の完投&完封(9イニング以上)を指す。

 MLB.comのサラ・ラングスによると、コロラドの球場でマダックスは5人、1993年5月29日に98球のテリー・マルホランド、1993年9月25日に97球のホゼ・リホ、1994年8月11日に94球のグレッグ・マダックス、2008年7月1日に79球(!)のアーロン・クック、2021年6月29日に92球のハーマン・マーケズ(ロッキーズ)しかいないという(被安打は必ずしも3本以下ではない)。最初の3人が登板したのはは、クアーズ・フィールドではなく、マイル・ハイ・スタジアムだ。ちなみに、野茂は、26年前にノーヒッターを達成した際、110球を投げた。

 クールは、9回表を迎えた時点で87球しか投げておらず、そこから2アウトを取った時点でも97球だった。あと2球で試合を終わらせれば、打者天国でマダックスを達成した6人目の投手になっていた。結局、そこから5球を費やし、102球で完投&完封を記録した。

 29歳のクールは、今シーズンがメジャーリーグ6年目だ。昨オフ、ピッツバーグ・パイレーツからノンテンダー(契約解除)とされ、3月半ばにロッキーズと1年300万ドルの契約を交わした。それまで、シーズン防御率はいずれも4点台だったが、今シーズンは3.49を記録している。完投は、昨シーズンまで一度もなかった。昨シーズンと今シーズンを比べると、4シームを減らしてシンカーを増やし、スライダーと組み合わせている。

 もっとも、今シーズンのブレイクが本物かどうかは、まだ判断に迷うところだ。クアーズ・フィールドの6登板で防御率2.48に対し、アウェーの8登板は防御率4.39に過ぎない。

 なお、マダックスとその本家については、前にこちらで書いた。

「マダックスより多くの「マダックス」を記録する投手は出てくるのか」