Yahoo!ニュース

マリナーズ希望の星。デビューから72試合で11本塁打はグリフィーJr.とまったく同じ

宇根夏樹ベースボール・ライター
フリオ・ロドリゲス(シアトル・マリナーズ)June 25, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月25日、フリオ・ロドリゲス(シアトル・マリナーズ)は、前日に続いてホームランを打った。

 開幕戦でデビューしたロドリゲスは、それまで、トップ・プロスペクトと目されてきた。シーズン前のプロスペクト・ランキングでは、ベースボール・アメリカの全体2位、ベースボール・プロスペクタスとMLB.comの全体3位に挙げられていた。

 ここまでは、72試合に出場し、打率.270と出塁率.333、11本塁打と19盗塁(失敗3)を記録している。

 デビューから72試合で11本塁打は、ケン・グリフィーJr.とまったく同じだ。グリフィーJr.が11本目のホームランを打ったのは66試合目だったので、ロドリゲスは2試合連続ホームランにより、グリフィーJr.に追いついたことになる。初本塁打は5月1日。4月の出場20試合は、ホームランがなかった。

 グリフィーJr.は、1987年のドラフト全体1位だ。ロドリゲスと同じく、デビュー当時はセンターを守っていた。ロドリゲスがドミニカ共和国で生まれる11年前に、1989年の開幕戦でマリナーズからデビューし、最初の72試合で、打率.281と出塁率.345、11本塁打と10盗塁(失敗3)を記録した。

 こちらも、1993年にドラフト全体1位で指名され、マリナーズからデビューしたアレックス・ロドリゲスは、デビューから72試合(1994~96年)の時点では、打率.223と出塁率.262、6本塁打と7盗塁(失敗2)だった。

 J-RODのキャリアの幕開けは、A-RODよりもグリフィーJr.に近いというわけだ。

 もちろん、最初の72試合で11本塁打は、特筆するほどの本数ではない。例えば、ロドリゲスのチームメイトであるカイル・ルイスは、デビューから72試合(2019~20年)の時点で、17本のホームランを打っていた。

 ただ、ロドリゲスは、スピードも発揮している。現時点の19盗塁は、ホルヘ・マテオ(ボルティモア・オリオールズ)と並び、ア・リーグでは最も多い。

 ちなみに、グリフィーJr.のメジャーリーグ1年目は、127試合に出場し、打率.264と出塁率.329、ホームランと盗塁は16ずつだった。21歳のロドリゲスは、当時のグリフィーJr.より2歳上とはいえ、盗塁だけでなくホームランも、グリフィーJr.の1年目を上回りそうな勢いだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事