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兄が弟から打点を挙げ、チームを1対0の勝利に導く。兄の年俸は弟の20分の1

宇根夏樹ベースボール・ライター
オースティン・ノラ(サンディエゴ・パドレス)Jun 24, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月24日、アーロン・ノラ(フィラデルフィア・フィリーズ)は、7イニングを投げ、1点しか取られなかった。唯一の失点は、6回裏だ。1死二塁の場面で、オースティン・ノラ(サンディエゴ・パドレス)にタイムリー・ヒットを打たれた。

 オースティンは、アーロンの兄だ。試合は、0対1でフィリーズが敗れ、アーロンには黒星がついた。

 ノラ兄弟がメジャーリーグで対戦するのは、これが2試合目だ。昨年8月21日の3打席目は、空振り三振、二塁フライ、四球。そこから約10ヵ月ぶりの対戦も、最初の2打席は三塁ゴロと見逃し三振だったので、弟が兄を4打数0安打と封じていた。

 そもそも、ドラフトの指名順位から、この兄弟には差があった。兄は2012年の5巡目・全体167位、弟は2014年の全体7位だ。また、兄のメジャーデビューは2019年。29歳の時だが、弟は入団翌年に22歳でデビューした。

 これまで、兄は正捕手としてシーズンを過ごしたことがない。今シーズンは、ホーヘイ・アルファロと併用されている。一方、弟は過去5シーズンとも規定投球回に到達している。2019年2月には、4年4500万ドル(2019~22年)の延長契約も手にした。今シーズンの年俸は1500万ドル。おそらく、今オフはFAにならないだろう。球団オプションの年俸1600万ドル(解約金425万ドル)を行使されるはずだ。兄がFAになるのは、2025年のオフ。今シーズンの年俸は72万6900ドルなので、弟の20分の1に満たない。

 なお、この試合を含め、今シーズン、兄は50試合に出場し、打率.241と出塁率.316、2本塁打を記録している。弟は15登板で96.2イニングを投げ、奪三振率10.15と与四球率1.21、防御率は2.98だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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