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ヤンキースとジャッジが契約合意。ただし、今オフにFAとなることは変わらず

宇根夏樹ベースボール・ライター
アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)Jun 23, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月24日、ニューヨーク・ヤンキースとアーロン・ジャッジは、今シーズンの年俸について、合意に達した。ESPNなどが報じている。年俸は1900万ドル。ジャッジがリーグMVPとワールドシリーズMVPを受賞すると、それぞれ、25万ドルがプラスされるという。

 レギュラーシーズンの半分近くが終わっているのに、ジャッジの年俸はまだ確定していなかった。これは、ジャッジに限ったことではない。ロックアウトにより、通常であればオフに行われる、年俸調停(とその前の交渉)の時期がずれ込んだのが理由だ。ヤンキースは1700万ドルを提示し、ジャッジは2100万ドルで申請していた。6月24日に予定されていた、ズーム・ミーティングによる調停の直前に、ちょうど中間の金額で決着したということだ。調停まで進んだ場合、間をとることはなく、年俸は、1700万ドルと2100万ドルのどちらかになっていた。

 調停は、昨シーズンまでの成績やパフォーマンスなどによって裁定される。だが、調停を回避して交わした、今回の契約についているボーナスは、今シーズンのジャッジとヤンキースの成績を踏まえているように見える。

 例えば、ジャッジが不振に喘ぐか、故障で長期欠場していたなら、リーグMVPのボーナスは、ほとんど意味を持たない。あるいは、ヤンキースが低迷し、現時点でポストシーズン進出の望みがゼロに近ければ――そういうことはまず起きないが――ワールドシリーズMVPのボーナスも同様だ。

 実際は、こうだ。ジャッジは、両リーグ最多の27本塁打を記録し、MVPレースの先頭を走っている。ヤンキースは、70試合で52勝を挙げ――52勝目はジャッジのサヨナラ打で決まった――地区のみならず、すべてのチームを引き離している。

 なお、今シーズンが終わると、ジャッジはFAになる。この点は、今回の合意とは関係なく、まったく変わらない。ヤンキースとジャッジは、開幕前に契約延長の交渉を行っていたが、ヤンキースが申し出た7年2億1350万ドルの契約を、ジャッジが却下している。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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