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シーズン満塁本塁打4本以上の選手たち。村上宗隆はセ4人目。MLBではエンジェルスの監督代行も

宇根夏樹ベースボール・ライター
村上宗隆 Aug 7, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月23日、村上宗隆(東京ヤクルト・スワローズ)は、1回表に無死満塁の場面でホームランを打った。村上の満塁本塁打は、5月6日と7日、6月11日に続き、今シーズン4本目だ。2019~21年に1本ずつ打っているので、通算では7本目となる。

 日本プロ野球で1シーズンに4本以上の満塁本塁打は、村上が延べ9人目だ。1950年に5本の西沢道夫が最も多く、中村剛也(埼玉西武ライオンズ)はシーズン4本を2度記録している。セ・リーグに限ると、村上の前には3人、1950年の西沢、2005年の今岡誠、2006年のタイロン・ウッズしかいなかった。

 東京ヤクルトは、ここまでに68試合を終えている。ここからは75試合を行う。

 メジャーリーグ(ナ・リーグとア・リーグ)でも、シーズン4本以上の満塁本塁打は、そう多くない。昨シーズンに4本のルルデス・グリエルJr.(トロント・ブルージェイズ)が、25人目だ。

筆者作成
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 1シーズンに6本の満塁本塁打を打った2人のうち、1987年のドン・マッティングリーは、7月に史上最長タイの8試合連続ホームランも記録した。このスパンに打った10本塁打は、そのうちの2本が満塁本塁打だった。

 現在、マッティングリーは、マイアミ・マーリンズで采配を振っている。

 ロサンゼルス・エンジェルスで監督代行を務めているフィル・ネビンも、2001年に4本の満塁本塁打を記録した。ネビンのシーズン本塁打は、この年の41本が最も多く、打率.306、出塁率.388、OPS.976、126打点もキャリアハイ。夏には、最初で最後となるオールスター・ゲームに選ばれた。

 また、1953年に満塁本塁打4本のレイ・ブーンは、ボブ・ブーンの父であり、ブレット・ブーンアーロン・ブーンの祖父だ。アーロンは、現在、ニューヨーク・ヤンキースで指揮を執っている。ちなみに、レイの満塁本塁打は通算8本。ボブは2本、ブレットは6本、アーロンは2本だ。ブーン家の4人のなかで、1シーズンに複数の満塁本塁打を打ったのは、1953年のレイしかいない。

 なお、村上の前に、日本プロ野球でシーズン満塁本塁打4本以上の延べ8人中、1950年の西沢と1988年のタイ・バン・バークレオを除く6人は、その年に、本塁打王と打点王の一方、もしくは両方を獲得している。今シーズンの村上は、現時点の23本塁打と62打点のどちらも、リーグ単独トップだ。

 一方、メジャーリーグの場合、その年に本塁打王も打点王も獲得していない選手が多く、25人中18人を数える。あとの7人は、1911年のフランク・シュルト、1919年のベーブ・ルース、1934年のルー・ゲーリッグ、1949年のラルフ・カイナーが二冠(ゲーリッグは首位打者も含めた三冠)、2009年のアルバート・プーホルス(セントルイス・カーディナルス)は本塁打王、1961年のジム・ジェンティールと2000年のエドガー・マルティネスは打点王を獲得した。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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