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この打者が「ホームラン」をもぎ捕られるのは、今月2度目。過去には同じ外野手に2年続けて阻まれたことも

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジョーイ・ボトー(シンシナティ・レッズ)Jun 7, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月8日、ジョーイ・ボトー(シンシナティ・レッズ)が打ったボールは、そのままいけば、間違いなくフェンスを越えていた。けれども、センターのアレック・トーマス(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)がジャンプして差し出したグラブに、ボールは収まった。

 打球の方向は違うが、4日前にも同じようなシーンがあった。ボトーの打球は、ライトのホアン・ソト(ワシントン・ナショナルズ)に捕られ、ホームランにはならなかった。

 ホームラン・キャッチはそう珍しくなく、今シーズンは大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)も、アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)に捕られている。だが、同じ打者が5日間にホームランを2度阻まれるのは、かなり稀ではないだろうか。

 しかも、球場はどちらも、ホームのグレートアメリカン・ボールパーク。1回裏という点も共通する。

 過去にも、ボトーはこんな経験をしている。2013年と2014年のことだ。2年続けて、センターを守っていたカルロス・ゴメスにホームランを阻止された。こちらは、対戦したのはミルウォーキー・ブルワーズだが、球場はミラー・パークとグレートアメリカン・ボールパークだ。

 とはいえ、現在のボトーは、不振を完全に抜け出したようだ。5月1日までの22試合はホームランがなく、打率.122と出塁率.278だったのに対し、新型コロナウイルス感染による離脱を経て、5月20日に復帰後は、18試合で5本のホームランを打ち、打率.295と出塁率.411を記録している。キャッチされていなければ、5月20以降のホームランはおそらく7本。ここ7試合は、3本ではなく5本だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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