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佐々木朗希はシーズン250奪三振に到達するのか。今世紀に入ってからは、11年前のダルビッシュ有だけ

宇根夏樹ベースボール・ライター
ダルビッシュ有 February 23, 2012(写真:ロイター/アフロ)

 今シーズン、佐々木朗希(千葉ロッテ・マリーンズ)は9試合に登板し、61.0イニングを投げて94三振を奪っている。2番目に多い千賀滉大(福岡ソフトバンク・ホークス)とは、30奪三振の差がある。

 9イニング平均の奪三振率は13.87。打者220人と対戦して94奪三振なので、全打席の結果に占める割合は42.7%だ。

 千葉ロッテは、6月1日までに、レギュラーシーズンの37.1%に当たる53試合を終えている。ここからの90試合も、佐々木が同じペース、5.9試合に1登板、1登板平均6.2イニング、奪三振率13.87だったとすると、大まかな計算ではあるが、あと15試合に登板し、100.0イニングを投げて154三振を奪う。この場合、シーズン全体では、94奪三振+154奪三振=248奪三振となる。次の登板は、6月3日の予定だ。

 1シーズンに250奪三振以上は、1968年に401奪三振の江夏豊を筆頭に、延べ57人が記録している。ただ、今世紀に入ってからは、2011年に276奪三振のダルビッシュ有(現サンディエゴ・パドレス)しかいない。この年を最後に、ダルビッシュはメジャーリーグへ移った。上の写真は、2012年のメジャーデビュー前だ。

筆者作成
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 佐々木のシーズン奪三振は、上の計算より少なくなる可能性も高い。3・4月の5登板は、36.0イニングで60三振を奪った。一方、5月の4登板は、25.0イニングで34奪三振だ。それぞれの奪三振率は15.00と12.24、割合は48.4%と35.4%。この「低下」は、投球数を抑え、長いイニングを投げようとしているのが理由かもしれない。

 それでも、5月の奪三振率(と割合)も極めて高く、2019年に千賀が記録した奪三振率11.33を上回る。故障さえなければ、今シーズン、佐々木の奪三振は200を優に超えるだろう。

 218三振以上を奪えば、今世紀のトップ10にランクインする。222奪三振以上なら、20世紀を含めた歴代トップ100に名を連ねる。ちなみに、ダルビッシュの276奪三振は、歴代29位タイだ。今世紀ではそれに次いで多い、こちらも2011年に田中将大(東北楽天ゴールデンイーグルス)が記録した241奪三振は、歴代68位タイに位置する。2011年の田中は、1998年の石井一久と並んでいる。

 なお、9イニング平均の奪三振率と、全打席の結果に占める奪三振の割合については、こちらで書いた。

「奪三振率のAとB。昨年の9イニング平均はダルビッシュ有が前田健太を上回るが、もう一方の数値では…」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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