登板してホームランも打った翌日、マイナーリーグへ降格。打率.349と好調だが…
5月16日、サンフランシスコ・ジャイアンツは、ルイス・ゴンザレスをAAAへ降格させた。
前日、ゴンザレスは、投打のどちらでも「活躍」した。7回裏、2死満塁の場面でレフトからマウンドに上がり、最初の打者にはヒットを打たれたものの、そこから5人続けて討ち取った(そのうちの1人は自身の悪送球でアウトにできず)。そして、9回表には、アルバート・プーホルス(セントルイス・カーディナルス)からホームランを打った。
ゴンザレスやプーホルスのように、野手が登板することは珍しくない。だが、イニングをまたいで投げる野手は、そう多くない。ゴンザレスは、1.1イニングを投げた。また、今シーズン、投手としてホームランを打ったのは、ゴンザレスが1人目だ。大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)は、8本塁打のいずれも、DHとして記録している。
ゴンザレスは、故障したスティーブン・ダガーに代わり、4月22日にAAAから昇格し、そこからの21試合中19試合に先発出場した。そして、ホームランこそ2本ながら、打率.349(63打数22安打)と出塁率.397、OPS.889を記録した。
にもかかわらず、降格させられたのは、アクティブ・ロースターの人数が理由だ。開幕から故障者リストに入っていたトミー・ラステラの復帰に伴い、ジャイアンツは、代わりに誰かをロースターから外す必要に迫られた。
ゴンザレスではなく、オースティン・スレイターを降格させる選択肢もあったはずだ。同じ外野手で、マイナーリーグ・オプションも残っている。こちらの打撃成績は、打率.259(54打数14安打)と出塁率.412、2本塁打、OPS.838だ。
ただ、守備はゴンザレスよりもスレイターが上だろう。また、ゴンザレスは左打者、スレイターは右打者だ。ジャイアンツには、左打者が多い。こうしたところが、ゴンザレスを降格させる決め手となった気がする。
さらに言えば、打率はゴンザレスが勝るが、出塁率はスレイターのほうが高い。四球率は、ゴンザレスの8.2%に対し、スレイターは20.6%だ。
なお、大学時代のゴンザレスは、投手も務めていた。もっとも、2015~17年の3シーズンとも、防御率は6.00以上だった。
ゴンザレスについては、こちらでも書いた。
◆「メジャーリーグでホームランを打った「ルイス・ゴンザレス」は3人目。この人数は同じ名前の最多なのか」
ゴンザレスにホームランを打たれた、プーホルスの登板については、こちら。