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デビューからの「連続試合安打」の最長記録は…。スティーブン・クワンは途切れたが、鈴木誠也は継続中

宇根夏樹ベースボール・ライター
スティーブン・クワン(クリーブランド・ガーディアンズ)Apr 12, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 4月13日、スティーブン・クワン(クリーブランド・ガーディアンズ)のストリークのうち、3つが途切れた。最初の打席の2球目はファウル・チップ。バットに当たらなかったわけではないが、記録上、ファウル・チップは空振りとなる。クワンは、今シーズンの開幕戦でメジャーデビューしてから、投じられた116球中39球に対してスウィングし、一度も空振りをしていなかった。イライアス・スポーツ・ビューローによると、デビューから空振りせずに116球は、2000年以降の最長(最多)。それまでは、2018年にデビューしたデビッド・フレッチャー(ロサンゼルス・エンジェルス)の100球が最も長かった(多かった)という。

 また、初めて空振りをした打席で、クワンは見逃し三振に終わった。これは、昨年9月26日にAAAで喫して以来の三振だ。その後の77打席――AAAの19打席、今春のエキシビション・ゲームの34打席、今シーズンの開幕から24打席――は、三振がなかった。

 4月13日は、ヒットも皆無。押し出しとなる四球を選んだので、デビューからの連続出塁は6試合に伸びたが、連続安打は5試合で止まった。

 これにより、現在、デビューからの連続試合安打を最も長く継続している選手は、クワンに代わり、鈴木誠也(シカゴ・カブス)となった。こちらは、4月13日もヒットを打ち、開幕から5試合連続安打とした。

 もちろん、メジャーリーグ(ナ・リーグとア・リーグ)記録までは、まだまだ遠い。デビューからの最長は、1941年のチャック・アレノと2016年のデビッド・ダール(当時コロラド・ロッキーズ/現ミルウォーキー・ブルワーズ)による、17試合連続安打だ(「ロッキーズに現れたもう一人のルーキー。デビューからの連続安打試合で75年前の史上最長記録に並ぶ」)。

 とはいえ、クワンも鈴木も、素晴らしいスタートを切った。ここまでのクワンは、打率.526(19打数10安打)と出塁率.655を記録し、長打は二塁打2本と三塁打1本、四球は8、三振は1、打点は5。鈴木は、打率.400(15打数6安打)と出塁率.524、長打はホームラン3本、四球と三振は5ずつ、打点は9だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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