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イグレシアスとシモンズ、エンジェルスの元遊撃手2人の球団が決まる。彼らはレギュラーなのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
ホゼ・イグレシアス Jun 7, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 2人の遊撃手、ホゼ・イグレシアスアンドレルトン・シモンズの球団が決まった。イグレシアスはコロラド・ロッキーズ、シモンズはシカゴ・カブスだ。正式な発表は出ていないが、ユニビジョンのマイク・ロドリゲスによると、イグレシアスの契約は1年500万ドル。シモンズの契約については、MLBネットワークのジョン・ヘイマンが、1年400万ドルと報じている。

 昨シーズン、イグレシアスは、9月上旬の解雇直前まで、ロサンゼルス・エンジェルスの正遊撃手だった。シモンズは、その前の5シーズンに、エンジェルスで遊撃を守っていた。昨シーズンも、ツインズで正遊撃手としてプレーしている。現在の年齢は、ともに32歳。昨シーズンのイグレシアスはそうではなかったが、好守を売りにしてきた点も共通する。

 イグレシアスもシモンズも、現時点のロッキーズとカブスのメンバーからすると、今シーズンもレギュラーとして起用されそうだ。どちらも、大物の後任ということになる。ロッキーズで遊撃を守っていたトレバー・ストーリーは、FA市場に出ている。カブスは、昨年の夏にハビア・バイエズをニューヨーク・メッツへ放出した。バイエズもFAになり、こちらはデトロイト・タイガースと6年1億4000万ドルの契約を交わした。バイエズが去った後にカブスで遊撃を守った選手のうち、セルジオ・アルカンタラニコ・ホーナーは今も在籍しているが、彼らと比べると、少なくとも現時点ではシモンズが上だろう。

 イグレシアスの場合、ここから、レギュラーの座を脅かされる可能性は低い。今オフのFA市場から、ロッキーズが500万ドル以上の契約で迎え入れた選手は、イグレシアスだけだ。これは、嵐の前の静けさではなく、今オフを通して続くはず。イグレシアスは、夏のトレード市場で売りに出されるかもしれないが、それまでは、ロッキーズで遊撃を守ると思われる。

アンドレルトン・シモンズ Sep 13, 2020
アンドレルトン・シモンズ Sep 13, 2020写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 一方、シモンズはそうではない。バイエズだけでなく、クリス・ブライアントアンソニー・リゾーも放出した、昨夏のファイヤー・セールから一転し、今オフ、カブスは補強に動いている。すでに、マーカス・ストローマンヤン・ゴームスの2人と、それぞれ、3年7100万ドルと2年1300万ドルの契約を交わした。11月上旬には、シンシナティ・レッズがウェーバーにかけたウェイド・マイリーを獲得し、即座に年俸1000万ドルの球団オプションを行使している。

 MLB.comのジョン・ポール・モロシは、カブスがカルロス・コレイアを手に入れようとするのではないか、と書いている。コレイアは、遊撃手であるだけでなく、他のポジションを含めても、今オフのFA市場におけるトップもしくはトップクラスの選手だ。コレイアがカブスに入団すれば、シモンズは遊撃の座を失うことになる。三塁と二塁を守ったこともあるイグレシアスと違い、シモンズは、メジャーリーグでもマイナーリーグでも、遊撃以外の守備についたことがない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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