日本プロ野球でプレーした「ハーパー」は2人。昨年のナ・リーグMVPが3人目になる可能性は低いが…
昨年、ブライス・ハーパー(フィラデルフィア・フィリーズ)は、6年ぶり2度目のMVPを受賞した。これまでに日本プロ野球でプレーした「ハーパー(Harper)」は皆無ではないが、ブライスがそこに加わる可能性は低い。
日本プロ野球を経験した「ハーパー」は、見落としがなければ、テリー・ハーパーとブレット・ハーパーの2人だ。テリーは、1988年にヤクルト・スワローズで10試合に出場。ブレットは、2010~11年に横浜ベイスターズ、2012年は東北楽天ゴールデンイーグルスでプレーした。出場は計186試合だ。
ブライスと同じく、テリーとブレットも野手だが、3人に共通する点は、他には見当たらない。例えば、左打者は3人中2人、外野手もそう。メジャーリーグでプレーしたのも、3人中2人だ。
テリーとブレットのうち、ブライスに近いほうを強いて挙げるなら、ブレットだろう。BHのイニシャルだけでなく、パワーのある左打者というところも同じだ。2005年は、ニューヨーク・メッツ傘下のA+とAAで計36本塁打。2010年の横浜でも、64試合で19本のホームランを打った。
また、ブレットはメジャーデビューできなかったが、父のブライアンは、メジャーリーグで16シーズンを過ごした。1989~93年は、ミネソタ・ツインズの正捕手としてプレーし、1991年のワールドシリーズ第7戦でも、1回表から10回表までマスクをかぶった。この試合は、ジャック・モリスが完封し、10回裏にジーン・ラーキンがサヨナラ・ヒットを打った。
一方、自身がメジャーリーガーのブライスは、兄のブライアンがマイナーリーガーだ。左投手だった兄は、ワシントン・ナショナルズ傘下のマイナーリーグで投げた後、2019年の独立リーグを最後にユニフォームを脱ぎ、不動産業界に転身した。
また、ブレットの父とブライスは、年こそ違うものの、同じ誕生日だ。1959年10月16日と1992年10月16日に生まれた。
ちなみに、ブレットの父はBrian、ブライスの兄はBryan。ドラフトで指名されてプロ入りしたのは、1977年の4巡目・全体85位(カリフォルニア・エンジェルス)と2011年の30巡目・全体907位(ナショナルズ)だ。
なお、阪神タイガースのチェン・ウェインは、ブレットとブライスの両者にホームランを打たれている。ブレットには、中日ドラゴンズ時代の2010年に2本。ブライスには、マイアミ・マーリンズ時代の2019年に1本だ。今後、前田健太(ミネソタ・ツインズ)と澤村拓一(ボストン・レッドソックス)も、そうなるかもしれない。
ブライスにホームランを打たれた投手については、こちらでも書いた。