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NPBとMLBで大谷翔平に本塁打を打たれた投手はいるのか。菊池雄星はMLBで2本、NPBでは0本

宇根夏樹ベースボール・ライター
ウェイド・ルブラン Aug 12, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 大谷翔平は、北海道日本ハム・ファイターズでプレーした2013~17年に、45投手から計48本のホームランを打った。ロサンゼルス・エンジェルスへ移った2018年以降は、84投手から計93本だ。

 日本プロ野球で大谷にホームランを打たれた45人のなかに、メジャーリーグでも投げた投手は8人いる。また、メジャーリーグで打たれた84人中4人は、日本プロ野球でも登板している。ただ、この8人と4人は、いずれも別の投手だ。日本プロ野球とメジャーリーグの両方で大谷にホームランを打たれた投手は、まだいない。

 現時点でそうなる可能性が最も高いのは、2015年4月22日にホームランを打たれた、ウェイド・ルブランだろう。2015年の埼玉西武ライオンズを挟み、ルブランは、2008~14年と2016~21年にメジャーリーグで登板している。昨年は、ボルティモア・オリオールズとセントルイス・カーディナルスで投げ、先発9登板とリリーフ9登板の計49.0イニングで防御率4.41(両チームの間に、ミルウォーキー・ブルワーズ傘下のAAAとテキサス・レンジャーズ傘下のAAAでも登板)。カーディナルスでは、モップ・アップ(敗戦処理)として4登板後、6月下旬からローテーションに加わり、8月上旬に肘を痛めてシーズンを終えるまでに、8先発の計35.2イニングで防御率3.53を記録した。

 8月下旬に肘の手術を受け、今年は開幕から投げられる見込みだ。現在はFAだが、契約を手にすることはできるのではないだろうか。ローテーションの一角ではなくても、先発とリリーフのどちらもこなすスウィングマン、あるいはロング・リリーフとして、需要はありそうな気がする。

 ちなみに、大谷とはメジャーリーグでも対戦していて、そこでは完璧に抑えている。13打席で9三振を奪い、他の4打席も討ち取っている。もっとも、これは2018~19年の結果だ。過去2年は対戦していない。

 2016年5月10日に被本塁打のブランドン・ディクソンも、昨年は、5月にオリックス・バファローズを退団し、9年ぶりにメジャーリーグで投げた。だが、登板は9月の2試合のみ。1イニングずつを投げ、どちらでも得点を許し、シーズン終了を待たずに解雇された。年齢はルブランと同じ37歳だが、新たな契約を得られるかどうかはわからない。

 ルブランとディクソンを除く、日本プロ野球で大谷にホームランを打たれたメジャーリーガー6人は、いずれもメジャーリーグで最後に投げたのが2015年以前。大谷のメジャーデビュー前だ。

 一方、こちらも現在はFAの菊池雄星は、2019年6月8日に続き、昨年6月5日も大谷にホームランを打たれたが、日本プロ野球時代の被本塁打はない。2013年の2打席は2三振、2017年の3打席は2安打と三振だった。

 2019年6月11日に被本塁打の前田健太(現ミネソタ・ツインズ)も、日本プロ野球では0本だ。2018年9月26日にホームランを打たれたクリス・マーティン(現FA)は、日本プロ野球では大谷とチームメイトだったので、対戦していない。2016~17年に北海道日本ハムで投げた。2018年7月8日に被本塁打のJT・シャギワ(現タンパベイ・レイズ)は、日本プロ野球にいた時期が大谷と重なっていない。こちらは、2020年に東北楽天ゴールデンイーグルスで投げた。

 なお、メジャーリーグで大谷に3本以上のホームランを打たれた投手はいないが、日本プロ野球では、東明大貴が被本塁打3本だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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