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継続中のストリーク/投手編。宮西尚生は歴代最長の「15年連続50登板」にリーチ

宇根夏樹ベースボール・ライター
宮西尚生 Mar 18, 2019(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 昨年、規定投球回に達した投手は、パ・リーグが14人、セ・リーグは9人だった。この計23人のうち、一昨年も到達しているのは、約3分の1の8人だ。さらに、2019年から3シーズン連続となると、2018年から4シーズン連続の西勇輝(現・阪神タイガース)を含め、4人しかいない。2020年まで2シーズン連続の有原航平は、昨オフにテキサス・レンジャーズへ移り、2021年は40.2イニングに終わった。有原と同じく、2019~20年に続けて規定投球回をクリアした美馬学(現・千葉ロッテ・マリーンズ)も、2021年は115.1イニングにとどまった。

 昨オフにメジャーリーグから戻った田中将大(東北楽天ゴールデンイーグルス)は、日本プロ野球に限ると、2007~13年と2021年の全8シーズンとも規定投球回以上だが、継続中のストリークには含めていない。ちなみに、田中がメジャーリーグで規定投球回に達したのは、2016~17年と2019年の3シーズンだが、2015年と2018年も150イニングを超えた。

 規定投球回以上&防御率3.00未満のストリークを継続中は、3シーズン連続の山本由伸(オリックス・バファローズ)と大野雄大(中日ドラゴンズ)に、1軍デビューから2シーズン連続の森下暢仁(広島東洋カープ)だ。2019年以降のシーズン防御率とリーグ順位は、山本が1.95(1位)→2.20(2位)→1.39(1位)、大野が2.58(1位)→1.82(1位)→2.95(3位)、森下は1.91(2位)→2.98(4位)。2019~21年の合計スタッツについては、「「NPB先発投手ランキング2019-21」。直近3年に「最高の投手」だったのは誰!?」で書いた。

 千賀滉大(福岡ソフトバンク・ホークス)と秋山拓巳(阪神)は、二桁勝利のストリークを継続している。それぞれ、6シーズン連続と2シーズン連続だ。もっとも、このストリーク中、千賀は、2018年と2021年が規定投球回未満。秋山は、両シーズンとも、10イニング前後が足りなかった。秋山の規定投球回以上は、159.1イニングを投げた2017年だけだ。

筆者作成
筆者作成

 宮西尚生(北海道日本ハム・ファイターズ)は、昨年、15ホールドに終わり、2012年から9シーズン続けてきた20ホールド以上が途切れたものの、2008年からの50登板以上は継続した。今年も50試合以上に投げれば、15シーズン連続となり、歴代最長の岩瀬仁紀に並ぶ。2人とも、入団翌年からのストリークだ。岩瀬は、1999年から2013年まで。16シーズン目の2014年は、34登板だった。

 一方、森唯斗(福岡ソフトバンク)は、2014年からの50登板以上が7シーズンでストップ。2018年からの30セーブ以上も、3シーズンで途切れた。昨年の登板とセーブは、30と15だ。また、過去2シーズンとも50試合以上に投げ、25セーブ以上を挙げたロベルト・スアレスは、阪神を退団し、サンディエゴ・パドレスに入団した。兄のアルバート・スアレスも、東京ヤクルト・スワローズを去り、今年は韓国のサムスン・ライオンズで投げる。

 今年、達成が期待されるマイルストーンについては、こちらで書いた。

「今年達成されそうな投手の記録。和田と岸は150勝、石川は3000イニング、平野は200セーブ…」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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