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不振のスラッガーが復調の狼煙か。2試合で3本のホームランを打つ。通算本塁打トップ100まであと1本

宇根夏樹ベースボール・ライター
左からA.バールソン、N.アレナード、P.ゴールドシュミットMay26,2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ポール・ゴールドシュミット(セントルイス・カーディナルス)は、ここ2試合で3本塁打を記録している。5月26日の2打席目と3打席目に続き、27日の1打席目にもホームランを打った。

 5月25日までのホームランは、開幕戦の3月28日、4月22日、5月12日と15日に1本ずつだった。今シーズンの打率と出塁率は、26~27日の2試合を含めても.222と.297と低く、OPSも.656に過ぎない。

 復調の狼煙、と謳うのは、まだ早い気がする。ただ、ここから上昇する可能性はありそうだ。

 過去13シーズンのうち、出塁率.345を下回ったのは、夏にメジャーデビューした2011年の.333(177打席)だけ。2011年を含め、OPS.805未満のシーズンは一度もなく、30本塁打以上は7度を数える。2011~23年のトータルは、打率.293と出塁率.388、340本塁打と158盗塁、OPS.907だ。35歳の昨シーズンも、全盛期には及ばないとはいえ、打率.268と出塁率.363、25本塁打と11盗塁、OPS.810を記録した。

 今シーズン、ここまでのホームランは7本なので、次にホームランを打つと、ジョージ・フォスターに並び、歴代トップ100にランクインする。さらに、350本塁打に到達すれば、史上100人目となる。現時点では、350本塁打のチリ・デービスが99位、348本塁打のフォスターは100位だ。

 なお、カーディナルスの内野には、一塁手のゴールドシュミットの他に、ベテランがもう一人いる。33歳の三塁手、ノーラン・アレナードがそうだ。こちらは、2013~23年のトータルが、打率.286と出塁率.343、325本塁打と26盗塁、OPS.871だ。昨シーズンは、打率.266と出塁率.315、26本塁打、OPS.774。今シーズンは、打率.258と出塁率.309、3本塁打、OPS.663にとどまっている。

 アレナードの場合、パワーを発揮できていないことに加え、守備の低下も懸念される。2013年から2022年まで、ナ・リーグでゴールドグラブを受賞した三塁手は、アレナードしかいなかった。

 ゴールドシュミットは、今シーズン終了とともに、5年1億3000万ドルの契約が満了する。アレナードは、今シーズンが8年2億6000万ドルの契約6年目だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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