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無敗で5勝の投手は好投しているのか。今永、ブランコ、パクストンはここまで5勝0敗

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジェームズ・パクストン(ロサンゼルス・ドジャース)May 11, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今シーズン、ここまでに5勝以上を挙げている投手は、9勝のレンジャー・スアレス(フィラデルフィア・フィリーズ)を筆頭に、29人を数える。彼らのうち、今永昇太(シカゴ・カブス)、ロネル・ブランコ(ヒューストン・アストロズ)、ジェームズ・パクストン(ロサンゼルス・ドジャース)の3人は、黒星が一つもない。いずれも、先発9登板で5勝0敗だ。

 スアレスは、先発11登板目の5月26日に、今シーズン初の黒星を喫した。それまでの10登板はすべて3失点以下だったが、この日は、6イニング5失点(自責点4)。クアーズ・フィールドで投げ、1回裏に2点と2回裏に3点を取られた。防御率は、1.36から1.75となった。

 5勝0敗の3人の防御率は、今永が53.2イニングで0.84、ブランコが54.1イニングで1.99、パクストンは49.0イニングで3.49だ。パクストンの防御率も悪くはないが、今永とブランコの2人と比べると、見劣りがする。

 また、パクストンのクオリティ・スタート――先発6イニング以上&自責点3以下――は、登板の半数に満たない。一方、ドジャースは、パクストンが登板した9試合とも、少なくとも3得点を挙げている。3得点が1試合、4得点が2試合で、あとの6試合、全体の3分の2は5得点以上だ。

筆者作成
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 もっとも、降板した時点でチームがリードされていて、そのままいくと黒星がついていたかもしれない試合は、今永とブランコの2度に対し、パクストンは1度。パクストンも、降板後に黒星を消してもらうことが多いわけではない。

 ちなみに、ドジャースでパクストン以外に先発9登板以上の3人は、それぞれ、2敗以上を喫している。防御率3.09のタイラー・グラスナウが11登板で6勝3敗、防御率3.51の山本由伸が11登板で5勝2敗、防御率3.60のギャビン・ストーンは9登板で4勝2敗だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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