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ソトを上回る有望株だった外野手がDFAとされる。年齢はまだ27歳

宇根夏樹ベースボール・ライター
左から、J.ソト、V.ロブレス、B.ハーパー Sep 26, 2018(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 5月27日、ワシントン・ナショナルズは、レイン・トーマスを故障者リストから復帰させ、ビクター・ロブレスをDFAとした。40人ロースターから外したということだ。

 28歳のトーマスは、4月23日に左膝を痛めるまで、ライトのレギュラーとしてプレーしていた。盗塁は11を数え、この時点では、12盗塁のエリー・デラクルーズ(シンシナティ・レッズ)とブライス・トゥラング(ミルウォーキー・ブルワーズ)に次いで多かった。昨シーズン、トーマスは、28本塁打と20盗塁を記録した。ナショナルズで20本塁打以上は、他にはいなかった。

 今月19日に27歳となったロブレスは、控えの外野手だ。だが、2019年にナショナルズがワールドシリーズ初優勝を飾った時、ロブレスは、センターのレギュラーだった。ホアン・ソト(現ニューヨーク・ヤンキース)とアダム・イートンの2人とともに、外野トリオを形成していた。

 プロスペクトとしての評価は、ソトよりも高かった。例えば、ベースボール・アメリカは、2018年の開幕前に発表したプロスペクト・ランキングにおいて、ソトを全体56位に挙げ、ロブレスは全体5位としていた。ベースボール・プロスペクタスのランキングでは、それぞれ、全体22位と全体2位だった。

 ソトの出塁率は、2018年のメジャーデビュー以来、どのシーズンも.400を下回ったことがない。過去3シーズンに打ったホームランの合計は、90本を超える。現在の年齢は25歳だ。FAになる今オフ、総額5億ドル以上の契約を得てもおかしくない。それまでにヤンキースと延長契約を交わす場合も――その可能性は高くなさそうだが――同様だ。

 一方、ロブレスは、怪我の多さもあり、資質を開花させることができずにいる。今のところ、ベストシーズンは2019年だ。155試合に出場し、打率.255と出塁率.326、17本塁打と28盗塁、OPS.745を記録した。2017~24年の8シーズンから2019年を除くと、375試合で打率.227と出塁率.304、14本塁打と42盗塁、OPS.627となる。

 ここから、ウェーバー公示を経た後、ロブレスは、降格を受け入れず、ナショナルズを退団すると思われる。かつての評価と現在の年齢からすると、メジャーリーグ契約ではなくマイナーリーグ契約かもしれないが、新たな球団は見つかるはずだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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