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東北楽天にいる「通算1500奪三振以上」は監督を含めずに3人。今年増える可能性も

宇根夏樹ベースボール・ライター
則本昂大 MARCH 12, 2017(写真:YUTAKA/アフロスポーツ)

 則本昂大(東北楽天ゴールデンイーグルス)は、昨年の最終登板で5三振を奪い、通算奪三振を1502とした。通算1500奪三振は、史上58人目。そのなかには、則本のチームメイトも2人いる。2017年9月24日に到達した涌井秀章は52人目。岸孝之は、2018年6月7日に54人目の達成者となった。現時点の通算奪三振は、涌井が1874、岸は1878だ。

 通算1500奪三振以上の3人が同じチームで投げるのは、2010年の埼玉西武ライオンズ以来。西口文也石井一久に加え、前年まで横浜ベイスターズにいた工藤公康が古巣へ戻った。結果的に、この年は工藤のラスト・シーズンとなった。ちなみに、この年の埼玉西武には、涌井と岸もいた。

 過去には、さらに1人多い「1500奪三振カルテット」が結成されたこともある。1998年と2000~01年の読売ジャイアンツがそうだ。1998年は、川口和久槙原寛己斎藤雅樹桑田真澄の4人。6月17日に、桑田が1500奪三振に到達した。この試合で、桑田は通算2000イニングも達成している。一方、川口はこの年限りで引退した。2000~01年の4人は、槙原、斎藤、桑田、工藤だ。

 今年の東北楽天も、現時点のトリオ――石井監督の通算2115奪三振は3人よりも多いが、ここには含めない――から、パ・リーグのチームでは初のカルテットになるかもしれない。田中将大は、日本プロ野球で投げた2007~13年と2021年に、計1364の三振を奪っている。昨年と同数の126奪三振だと、通算1500奪三振には10足りないが、あと136は不可能な数ではないだろう。

 もちろん、通算1500奪三振以上は、実績であって、その時点の力量とイコールではない。1998年の読売は、4人中2人が規定投球回に達したが、あとの2人は90イニングに届かなかった。2000年の読売は、規定投球回以上が1人しかおらず、3人は90イニング未満だった。2001年の読売は、4人とも60イニング未満。合計でも113.2イニングに過ぎなかった。

 ただ、今年の東北楽天の4人は、シーズン終盤に「1500奪三振カルテット」が結成されるかどうかはともかく、これまでのカルテットとは違う結果も大いにあり得る。昨年、涌井は96.1イニングで防御率5.04ながら、田中と則本と岸の3人は、いずれも規定投球回に到達し、3点台前半の防御率を記録した。

 なお、涌井や岸のように、奪三振王になったことがなく、通算1500以上の三振を奪った投手については、こちらに書いた。

「奪三振王を「獲得していない」投手の通算奪三振ランキング。1500奪三振以上の現役投手は半数がそう」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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