奪三振王を「獲得していない」投手の通算奪三振ランキング。1500奪三振以上の現役投手は半数がそう
通算1500以上の三振を奪った58投手のうち、3分の1以上の21人は、奪三振王になっていない。星野伸之(2041奪三振)、坂井勝二(1610奪三振)、土橋正幸(1562奪三振)、加藤初(1500奪三振)の4人は、奪三振王のみならず、最優秀防御率と最多勝の両タイトルとも無縁だった。加藤を除く3人は、150勝以上を記録している。加藤も、150勝まで一桁に近づいた。通算141勝だ。
21人のなかには、現役投手も4人いる。1878奪三振の岸孝之(東北楽天ゴールデンイーグルス)、1874奪三振の涌井秀章(東北楽天)、1723奪三振の和田毅(福岡ソフトバンク・ホークス)、1707奪三振の石川雅規(東京ヤクルト・スワローズ)がそうだ。1500奪三振以上の現役投手は、彼らを含めて8人いる。奪三振王を獲得している4人の通算奪三振は、金子千尋(北海道日本ハム・ファイターズ)が1710、能見篤史(オリックス・バファローズ)が1515、内海哲也(埼玉西武ライオンズ)が1511、則本昂大(東北楽天)は1502だ。1700奪三振以上の現役トップ5のうち、4位の金子を除く4人は、奪三振王になっていない。
2009年の涌井は、奪三振王の杉内俊哉と5差の199三振を奪った。岸は2012年(169奪三振)の田中将大(東北楽天)と19差、和田は2003年(195奪三振)の松坂大輔と20差が最も近かった。石川は奪三振王と60差以内のシーズンがなく、2011年の127奪三振も、前田健太(現ミネソタ・ツインズ)より65も少なかった。もっとも、石川の場合が特にそうだが、これは投手としてのタイプが理由。投手としての優劣を示しているわけではない。彼らは、4人とも、タイトル・ホルダーだ。岸と石川は最優秀防御率、涌井と和田は最多勝をそれぞれ獲得している。
なお、21人中4人、佐々岡真司(1806奪三振)、北別府学(1757奪三振)、大野豊(1733奪三振)、長谷川良平(1564奪三振)は、いずれも広島/広島東洋カープ一筋に過ごした。メジャーリーグ時代を挟み、広島東洋で投げた黒田博樹(1461奪三振)も、奪三振王にはなっていない。だが、奪三振王を獲得した広島東洋の投手は、皆無ではなく、1人や2人でもない。金城基泰、外木場義郎、池谷公二郎、川口和久、コルビー・ルイス、前田の6人が、合わせて11度、奪三振王になっている。
通算130勝以上を挙げ、最多勝を獲得していない投手については、こちらで書いた(2020年終了時点)。岸と石川は、こちらにも名を連ねる。