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「30本以上のホームランを打って引退」は3人目。シーガーの前の2人は、誰と誰!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
カイル・シーガー Jul 26, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今シーズン、カイル・シーガーは35本のホームランを打った。シーズンが終わると、シアトル・マリナーズから年俸2000万ドルの球団オプションを破棄されてFAになり、年末に妻のツイッターを通して引退を表明した。

 メジャーリーグ最後のシーズンに30本塁打以上を記録した選手は、ベースボール・リファレンスによると、シーガーが3人目だ。2016年に38本塁打のデビッド・オティーズが最も多く、シーガーの35本塁打は、1986年のデーブ・キングマンと並ぶ。

 オティーズは、2015年のオフに、あと1年で引退することをプレーヤーズ・トリビューンで発表し、2016年のシーズンに臨んだ。遠征先の各球場では、さまざまな記念品を贈られた。どんな品々だったのかについては、「ビッグ・パピがもらった記念品の数々。ツインズ贈呈のピーナッツ・バターは、パンではなくパンツに塗る!?」で書いた。

 キングマンは、1986年のオフにオークランド・アスレティックスからFAになった後、そのまま引退したのではなく、翌年の夏にサンフランシスコ・ジャイアンツと契約し、傘下のAAAで20試合に出場した(ホームランは2本)。

 3人のラスト・シーズンの年齢(6月30日時点)は、オティーズが40歳、キングマンが37歳、シーガーは33歳だ。年齢からすると、シーガーの35本塁打は不思議ではない気もする。今シーズンに30本塁打以上の43人中3人は、シーガーより上の年齢だ。36本塁打のジョーイ・ボトー(シンシナティ・レッズ)は37歳、32本塁打のネルソン・クルーズは40歳、30本塁打のホゼ・アブレイユ(シカゴ・ホワイトソックス)は34歳。さらに、31本塁打のポール・ゴールドシュミット(セントルイス・カーディナルス)も、シーガーと同じ33歳だ。生まれたのは、ゴールドシュミットが約2ヵ月早い。

 ただ、シーガーは、シーズン本塁打のキャリアハイを塗り替えた。それまで、30本塁打以上のシーズンは、ちょうど30本の2016年しかなかった。オティーズの30本塁打以上は10度、キングマンは7度を数える。それぞれのキャリアハイは、オティーズが54本(2006年)、キングマンは48本(1979年)だ。

 ちなみに、3人とも、50本区切りのマイルストーンまで、あと一桁に近づいていた。オティーズは550本塁打まで9本、キングマンは450本塁打まで8本。シーガーも、あと8本のホームランを打つと、250本塁打だった。

 シーガーの引退については、こちらで書いた。

「今年は自己最多の「35本塁打&101打点」ながら34歳で引退。弟は10年3億2500万ドルの新契約」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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