来シーズン、ニューヨーク・メッツで采配を振るバック・ショーウォルターは、経験豊富な監督だ。ニューヨーク・ヤンキース(1992~95年)、アリゾナ・ダイヤモンドバックス(1998~2000年)、テキサス・レンジャーズ(2003~06年)、ボルティモア・オリオールズ(2010~18年)に続き、メッツは5チーム目となる。レギュラーシーズン通算1551勝は、歴代24位に位置する。

 どちらかと言えば、ショーウォルターは、規律を重んじる。ヤンキースで監督を務めていた1994年には、シアトル・マリナーズのケン・グリフィーJr.やサンフランシスコ・ジャイアンツのバリー・ボンズらが、打撃練習の際、キャップの前後を逆にしてかぶっていることについて、不快の意を表明した。

 その一方で、こんなエピソードもある。

 ショーウォルターの本名は、ウィリアム・ナサニエル・ショーウォルター三世。バックは、ニックネームだ。マイナーリーグでプレーしていた時に、監督からそう呼ばれるようになった。割と有名な話なので、前にもどこかで紹介したことがあるが、ショーウォルターがバック・ネイキッド(全裸)でクラブハウスを歩き回っていたのが、ニックネームの由来だという。ちなみ、メジャーデビューはできないまま、選手としてのキャリアを終えた。

 また、ショーウォルターは、ワールドシリーズで指揮を執ったことがない。これは、1500勝以上の24監督中、ジーン・モーク(1902勝)とショーウォルターの2人だけだ。現ヒューストン・アストロズ監督のダスティ・ベイカー(1987勝)は、ワールドシリーズで優勝していないものの、リーグ優勝が2度ある。

 とはいえ、ショーウォルターが率いたチームは、ポストシーズンに5度進んでいる。1995年のヤンキース、1999年のダイヤモンドバックス、2012年と2014年と2016年のオリオールズがそうだ。1994年のヤンキースも、ストライキに突入した時点で地区首位に位置し、2位に6.5ゲーム差をつけていた(残りのレギュラーシーズンとポストシーズンは行われなかった)。また、ヤンキースとダイヤモンドバックスは、どちらも、ショーウォルターが去った翌年に、ワールドシリーズ優勝を飾っている。