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意外に多い!? 「日本人野手がプレーしたことのないチーム」と「日本人投手が投げたことのないチーム」

宇根夏樹ベースボール・ライター
青木宣親 MAY 5, 2014(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 2020年に秋山翔吾(シンシナティ・レッズ)がメジャーデビューし、日本人選手がプレーしたことのないチームはなくなった。ただ、すべてのチームで、日本人野手と日本人投手のいずれもがプレーしているわけではない。

 秋山とチームメイトになった日本人選手はいないので、レッズで投げた日本人投手は皆無だ。田澤純一は、2019年8月から翌年3月までレッズに在籍していたが、登板はマイナーリーグの3試合だった。レッズを含む4チームは、メジャーリーグの試合で、日本人投手がまだ登板していない。そのうち、ヒューストン・アストロズでは、2017年に青木宣親がマウンドに上がり、1イニングを投げた。ちなみに、日本人投手と日本人野手が1人ずつのマイアミ・マーリンズも、イチローが登板したのは、2017~18年に田澤がマーリンズで投げる前、2015年のシーズン最後の試合だった。

筆者作成
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 一方、30チーム中7チームは、日本人野手が誰もプレーしていない。日本人野手は、日本人投手よりも少ない。

 ボストン・レッドソックスとテキサス・レンジャーズは、日本人選手が8人ずつ出場しているが、いずれも投手だ。2021年にメジャーデビューした澤村拓一有原航平が、それぞれのチームの8人目となった。その前の7人は、レッドソックスが、大家友和(1999~2001年)、野茂英雄(2001年)、岡島秀樹(2007~11年)、松坂大輔(2007~12年)、斎藤隆(2009年)、田澤(2009年、2011~16年)、上原浩治(2013~16年)。レンジャーズは、伊良部秀輝(2002年)、大塚晶則(2006~07年)、福盛和男(2008年)、建山義紀(2011~12年)、上原(2011~12年)、ダルビッシュ有(2012~14年、2016~17年/現サンディエゴ・パドレス)、藤川球児(2015年)だ。

 来シーズン、鈴木誠也(広島東洋カープ)は、そのチームで初めてプレーした日本人野手となるかもしれない。例えば、レッドソックスは、鈴木を手に入れようとしていると報じられていて、鈴木がフィットする要素もある。それについては「鈴木誠也が「最もフィットする球団」は、レッドソックス!? その理由は…」で書いた。マリナーズからFAになった菊池雄星も、契約を交わすのが、フィラデルフィア・フィリーズ、アストロズ、セントルイス・カーディナルス、レッズのどこかなら、開幕早々、そのチームで初めて投げた日本人投手となるはずだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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