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日本シリーズ第1戦にサヨナラ勝ちの球団は優勝しているのか。今年のオリックスは8球団目

宇根夏樹ベースボール・ライター
吉田正尚 AUGUST 4, 2021(写真:西村尚己/アフロスポーツ)

 日本シリーズの第1戦をサヨナラ勝ちで飾ったのは、今年のオリックス・バファローズが8球団目だ。それまでの7球団のうち、優勝したのは、1970年の読売ジャイアンツと2003年の福岡ダイエー・ホークスの2球団。劇的な白星スタートにもかかわらず、敗退した球団のほうが多い。4勝3敗でシリーズを制した2003年の福岡ダイエーも、第3戦から阪神タイガースに3連敗を喫し、先に王手をかけられた。

筆者作成
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 この理由としては、サンプル数の少なさが考えられる。ちなみに、これまでに白星スタートを切った球団は、第1戦に引き分けて第2戦に勝った球団を含め、63.4%が優勝している。71球団中45球団だ。2018年までの割合については、一昨年のシリーズ前に「日本シリーズ優勝の62.3%は白星スタート。ただし、近年は黒星スタートでも…」で書いた。過去2年は、いずれも福岡ソフトバンク・ホークスが4勝0敗でシリーズを終わらせている。

 第1戦にサヨナラ打の8人は、1953年が村上一治、1962年が吉田義男、1970年が黒江透修、1974年が高木守道、1981年が井上弘昭、1992年が杉浦享、2003年がフリオ・ズレータ、今年は吉田正尚だ。村上と井上と杉浦は代打として起用され、黒江と杉浦はホームランを打った。杉浦は代打満塁本塁打を記録した。この8人に共通点は見当たらなかったが、今年の吉田正尚は、日本シリーズ第1戦にサヨナラ打を打った2人目の「吉田」ということになる。

 一方、彼らにサヨナラ打を打たれた8人は、1953年が別所毅彦、1962年が尾崎行雄、1970年が木樽正明、1974年が村田兆治、1981年が角三男、1992年が鹿取義隆、2003年が安藤優也、今年はスコット・マクガフだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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