大谷翔平もそうなる!? 新人王とMVPを受賞した選手たち。フレッド・リンとイチローは同じ年に受賞
これまでに、新人王とMVPを手にした選手は、同じ年に両方を受賞した1975年のフレッド・リンと2001年のイチローを含め、28人を数える。もうすぐ、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)は、その29人目となるはずだ。3年前の2018年に、大谷は新人王を受賞している。
ちなみに、大谷とともにア・リーグMVPのファイナリストに名を連ね、大谷に次ぐ2位と3位となるであろうトロント・ブルージェイズの2人は、新人王を受賞していない。ブラディミール・ゲレーロJr.は、2019年のア・リーグ6位タイ。マーカス・シミエンは、2013~14年に新人王の資格を持っていたが、どちらの年も得票はなかった。
また、ナ・リーグMVPのファイナリストのうち、ブライス・ハーパー(フィラデルフィア・フィリーズ)は2012年の新人王だが、2015年にMVPを手にしているので、すでに、両賞を受賞した28人に含まれる。新人王と2度以上のMVPは、ウィリー・メイズ、フランク・ロビンソン、ジョニー・ベンチ、カル・リプケンJr.、アルバート・プーホルス、マイク・トラウトの6人。ハーパーは、彼らに続く7人目となるかもしれないが、ア・リーグと違い、ナ・リーグは誰が受賞するのか読みにくい。他のファイナリストは、ホアン・ソト(ワシントン・ナショナルズ)とフェルナンド・タティースJr.(サンディエゴ・パドレス)だ。この2人の新人王投票の順位は、それぞれ、2018年のナ・リーグ2位と2019年のナ・リーグ3位だった。
ジャッキー・ロビンソンからジェフ・バグウェルまで、20世紀に新人王とMVPを受賞した16人のうち、62.5%の10人は、殿堂入りしている。通算4256安打のピート・ローズも、野球賭博の件さえなければ、殿堂に迎え入れられていたに違いない。
21世紀に入ってから両賞を手にした12人のなかにも、殿堂入りが確実な選手はいる。イチローとプーホルスが殿堂選手となる確率は、100%と言っていい。ジャスティン・バーランダーとバスター・ポージーも、そうなるはずだ。ポージーが殿堂入りすると考える理由については、今月上旬に「バスター・ポージーは殿堂入りするのか。ジャイアンツの名捕手が34歳で引退」で書いた。
大谷のチームメイトであるトラウトも、今シーズンこそ長期欠場を余儀なくされたものの、殿堂入りの可能性はかなり高いと見る。MVP投票では、新人王を受賞した2012年の2位を含め、昨シーズンまで9年続けて5位以内にランクイン。それも、受賞が3度、2位が4度、4位と5位が1度ずつだ。センターを守り、この間のシーズンOPSは.935を下回ったことがない。今シーズンのOPSも1.090と高く、故障がなければ、大谷とMVPを競っていた――トラウトがいることで大谷のスタッツも変動していただろうが――と思われる。年齢は、まだ30歳だ。
今年のMVPの受賞者は、11月18日(日本時間11月19日)に発表される。各賞の発表スケジュールと受賞者の予想は、こちらに書いた。