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東京ヤクルトの「最下位の翌年にリーグ優勝」はセ・リーグ5度目。オリックスもそうなればパ・リーグでは…

宇根夏樹ベースボール・ライター
オリックスが優勝できるかどうかは、千葉ロッテの結果次第(写真:GYRO_PHOTOGRAPHY/イメージマート)

 リーグ優勝を決めた東京ヤクルト・スワローズは、過去2年とも最下位に位置していた。これは、前回のリーグ優勝と同じ推移だ。2013~14年が最下位、2015年はリーグを制した。

 東京ヤクルトの2度を除くと、セ・リーグで最下位の翌年にリーグ優勝は、1960年の大洋ホエールズ(最下位=1954~59年/1954年は大洋松竹ロビンス)、1975年の広島東洋カープ(最下位=1972~74年)、1976年の読売ジャイアンツ(最下位=1975年)の3度だ。この他には、1950年にリーグ優勝の松竹ロビンスが、1リーグ制の前年(当時は大陽ロビンス)に8球団中8位の最下位だった。

 一方、パ・リーグでは、こちらも2年続けて最下位にいたオリックス・バファローズが、リーグ優勝を飾るかもしれない。オリックスはすでに143試合を終えていて、あと3試合を残す千葉ロッテ・マリーンズの結果次第だ。「3勝0敗」か「2勝0敗1分」なら千葉ロッテ、それ以外の場合はオリックスがリーグ優勝となる。

 パ・リーグで最下位の翌年にリーグ優勝は、2001年の大阪近鉄バファローズしか記録していない。こちらも、直前の1999~2000年に、2年続けて最下位に位置していた。

 両リーグともに、最下位→リーグ優勝となれば、史上初。そうならなくても、オリックスの2位以上は確定している。最下位の翌年にクライマックス・シリーズ進出は、セ・リーグもパ・リーグも過去4度ずつ。今年の東京ヤクルトとオリックスは、それぞれリーグ5度目だ。2019年は、前年に最下位の阪神タイガース東北楽天ゴールデンイーグルスが、ともに3位へ浮上し、クライマックス・シリーズへ進んだ。

 過去の事例、最下位→リーグ優勝、最下位→クライマックス・シリーズ進出については、年明けにこちらで書いた。

「オリックスと東京ヤクルトの初夢!?「最下位の翌年にリーグ優勝」でなくても「最下位→CS進出」なら…」

 また、今年は、前年にリーグ優勝の両球団が揃って負け越した。それについては、こちらで書いた。

「リーグ優勝の翌年に負け越し。福岡ソフトバンクも読売もそれぞれ2度目。史上最多の球団は…」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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