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「2年連続ワールドシリーズ優勝」の可能性があるのはドジャース以外に何人!? ドジャースは連覇に黄信号

宇根夏樹ベースボール・ライター
アレックス・ウッド(ロサンゼルス・ドジャース)Oct 11, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ロサンゼルス・ドジャースのワールドシリーズ連覇に、黄信号が灯った。ディビジョン・シリーズ第3戦に0対1で敗れ、これで1勝2敗。第4戦に勝てなければ、敗退となる。ワールドシリーズ連覇は、1998~2000年のニューヨーク・ヤンキースを最後に途絶えている。

 ただ、ドジャースの連覇が潰えても、2年連続ワールドシリーズ優勝の可能性を持つ選手は残る。前年にドジャースの選手としてワールドシリーズに出場し、現在は他のチームでプレーしている選手だ。

 ディビジョン・シリーズでドジャースと対戦しているサンフランシスコ・ジャイアンツには、前ドジャースの左投手2人、アレックス・ウッドジェイク・マギーがいる。どちらも第3戦に登板し、ウッドは先発として4.2イニング、マギーは3番手として0.2イニングを投げた。マギーは、第2戦も1イニングを封じている。

「この選手のバットは本塁打がよく出る!? 今年のポストシーズンですでに3本。本人が1本、別の選手が2本」で書いたとおり、アトランタ・ブレーブスで代打として活躍しているジョク・ピーダーソンも、前年まではドジャースでプレーしていた。ジャイアンツと同じく、ブレーブスもリーグ・チャンピオンシップ・シリーズ進出に王手をかけている。

 一方、いち早くリーグ・チャンピオンシップ・シリーズ進出を決めたボストン・レッドックスには、前ドジャースのキーケー・ヘルナンデスがいる。ディビジョン・シリーズでは、第2戦の長打4本を含む5安打(「ポストシーズンの「1試合5安打」は10人目、「1試合4長打」は5人目。同じ試合は松井秀喜に続く2人目」)をはじめ、4試合で20打数9安打、ホームラン2本、二塁打3本、6打点。第4戦は、サヨナラ犠牲フライを打ち、シリーズを終わらせた。ディビジョン・シリーズにMVPがあれば(リーグ・チャンピオンシップ・シリーズとワールドシリーズと違ってないが)、キーケーが受賞していたに違いない。

 ミルウォーキー・ブルワーズとシカゴ・ホワイトソックスに、こういった選手はいない。ヒューストン・アストロズには、前ドジャースのペドロ・バイエズが在籍しているが、8月下旬に右肩を痛め、故障者リストへ入った。9月下旬にAAAでリハビリとして3試合に投げたが、アストロズがリーグ・チャンピオンシップ・シリーズとワールドシリーズへ進んでも、ロースターに入ることはなさそうだ。なお、現時点のディビジョン・シリーズの勝敗は、ブルワーズとホワイトソックスが1勝2敗、アストロズは2勝1敗だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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