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ア・リーグの首位打者は、前・横浜DeNAのグリエル。日本プロ野球の経験者が獲得はイチロー以来

宇根夏樹ベースボール・ライター
ユリ・グリエル(ヒューストン・アストロズ)Oct 3, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ア・リーグの首位打者は、打率.319のユリ・グリエル(ヒューストン・アストロズ)が獲得した。グリエルに次いだのは、マイケル・ブラントリー(アストロズ)とブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)だ。2人とも打率.311ながら、僅差で2位と3位となった。

 グリエルは、2014年に横浜DeNAベイスターズで62試合に出場し、打率.305を記録した。ちなみに、横浜DeNAでプレーしなかった、弟のルルデス・グリエルJr.は、ゲレーロJr.とチームメイト。ブルージェイズにいる。

 日本プロ野球の経験者が、メジャーリーグで首位打者を獲得するのは、2001年と2004年にイチローに続く2人目、3度目のことだ。

 一方、イチローとグリエルとは逆に、メジャーリーグで首位打者を獲得した後、日本プロ野球でプレーした選手は3人いる。1974~76年に太平洋クラブ・ライオンズで計262試合に出場したマティ・アルーは、1966年に打率.342を記録し、兄のフェリペ(打率.327)とともに、兄弟でナ・リーグのトップ2に並んだ。1988年にロッテ・オリオンズで出場123試合のビル・マドロックは、1975年(打率.354)と1976年(打率.339)、1981年(打率.341)、1983年(打率.323)に、いずれもナ・リーグで首位打者を獲得した。1995年と1998年に千葉ロッテ・マリーンズで計258試合に出場したフリオ・フランコは、1991年のア・リーグの首位打者(打率.341)だ。

 彼らの他には、四国アイランドリーグplusの高知ファイティングドッグスでプレーしたマニー・ラミレスも、2002年にア・リーグ1位の打率.349を記録している。

 また、本人ではないものの、2005年に打率.335でナ・リーグの首位打者を獲得したデレク・リーは、父と伯父が日本プロ野球でそれぞれ10シーズン以上を過ごした。父のレオンは、ロッテ(1978~82年)、横浜大洋ホエールズ(1983~85年)、ヤクルト・スワローズ(1986~87年)の3球団で計1255試合に出場。伯父のレロンは、ロッテ(1977~87年)で1315試合に出場し、1977年に本塁打王(34本塁打)と打点王(109打点)、1980年に首位打者(打率.358)を獲得した。

 なお、グリエル(兄)に次ぐ打率を記録したブランドリーも、父のミッキー・ブラントリーが日本プロ野球でプレーしている。もっとも、出場は少なく、1993年に読売ジャイアンツで13試合。44打数8安打、打率.182に終わった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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