Yahoo!ニュース

史上初の「打率1割台で40本塁打以上」もある!? ここまでは打率.204で37本塁打

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジョーイ・ギャロ(ニューヨーク・ヤンキース)Sep 17, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 9月17日、ジョーイ・ギャロ(ニューヨーク・ヤンキース)は、2本のホームランを打った。テキサス・レンジャーズで記録した25本塁打を含め、シーズン全体の本数は37本。3年ぶり3度目のシーズン40本塁打まで、あと3本としている。その一方で、シーズン打率は.204に過ぎない。

 41本塁打の2017年も、40本塁打の2018年も、打率は低かった。それぞれの打率は.209と.206だ。ナ・リーグとア・リーグの球史において、シーズン40本塁打以上の選手は延べ348人を数える(今シーズンの3人を除く)。そのなかで、2017年と2018年にギャロが記録した打率は、ワースト3位とワースト2位に位置する。ちなみに、今シーズン、ここまで46本塁打のブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)は打率.318、45本塁打のサルバドール・ペレス(カンザスシティ・ロイヤルズ)は打率.276、44本塁打の大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)は打率.256を記録している。

 今シーズンのギャロの打率は、2017年と2018年をさらに下回る。現時点では、40本塁打以上のワースト打率とほぼ同じ。2012年に41本塁打のアダム・ダンが記録した、打率.204をわずかに上回るだけだ。

筆者作成
筆者作成

 夏のトレードまで、ギャロは12.4打数に1本のホームランを打っていた。ヤンキースへ移ってからも12.5打数に1本なので、ペースダウンはしていない。だが、移籍前の打率.223に対し、移籍後は.167。シーズン打率は9月に2割を切った時期があり、シーズンが終わった時点で2割未満でもおかしくない。その場合は、打率1割台で40本塁打以上を記録した、史上初の選手となる。また、シーズン打率2割未満の最多本塁打は、2010年に打率.198のマーク・レイノルズが記録した32本だ。ギャロは、こちらを大きく更新する可能性もある。

 なお、シーズン40本塁打以上の出塁率ワースト10は、以下のとおり。ここまでのギャロは、出塁率.357(移籍前が.379、移籍後は.311)。こちらに顔を出すことはない。ただ、すでに40本塁打に達している3人のうち、ゲレーロJr.と大谷の出塁率は.407と.358だが、ペレスの出塁率は.317と低く、このままいくと、ワースト10にランクインする。

筆者作成
筆者作成

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事