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大谷とペレスに続き、ゲレーロJr.も40本塁打に到達。シーズン40本以上の親子は史上2組目

宇根夏樹ベースボール・ライター
ブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)Sep 6, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 9月6日、ブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)は、シーズン40本目のホームランを打った。今シーズン3人目。大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)の40本目は8月18日、サルバドール・ペレス(カンザスシティ・ロイヤルズ)は9月4日に到達した。現時点の本数は、大谷が43本、ペレスは41本だ。これを書いている時点で、9月6日のエンジェルスの試合は、まだ始まっていない。ロイヤルズは試合を終えていて、ペレスは1打点を挙げたが、ホームランはなかった。

 二刀流の大谷だけでなく、ペレスとゲレーロJr.の40本塁打も、稀少性は高い。ペレスは捕手、ゲレーロJr.は同名の父もメジャーリーガーだった。ナ・リーグとア・リーグの球史において、シーズン出場試合の75%以上で捕手を務め、40本以上のホームランを打った選手は、ペレスが6人目(延べ8人目)だ(このまま75%以上を保てば)。過去の達成者については、先月に「ア・リーグ史上初となる「シーズン40本塁打の捕手」が誕生!? 8月半ばに30本到達」で書いた。一方、どちらもシーズン40本塁打以上の親子は、阪神タイガースでもプレーしたセシル・フィルダーとその息子のプリンス・フィルダーしかいなかった。

 もっとも、セシルとプリンスは、さらにその上に位置する。ともにシーズン50本塁打以上の親子だ。セシルは1990年に51本、プリンスは2007年に50本のホームランを打った。ゲレーロJr.の父は、2000年の44本が最も多かった。息子が50本に到達しても、フィルダー親子に続く2組目にはならない。また、セシルは1990~91年に2年続けて本塁打王を獲得――1991年の44本はホゼ・カンセコとタイ――し、プリンスも2007年にこのタイトルを手にしたが、ゲレーロJr.の父は本塁打王になっていない。リーグ・トップ3に入ったこともなかった。殿堂入りはしているが、首位打者と打点王、盗塁王も皆無だ。

 なお、フィルダー親子のシーズン40本塁打以上は、どちらも2度ずつ。ゲレーロJr.の父も、同じく2度記録した。通算本塁打は、セシルが319本、プリンスも319本。ゲレーロ親子は、父が449本、息子はここまで64本だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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