今シーズンのエンジェルスでプレーした選手のうち、ポストシーズンに出場できそうなのは…
残念ながら、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)は、今秋のポストシーズンに出場できそうにない。9月1日の時点で、エンジェルスは66勝68敗(勝率.493)。ア・リーグ西地区では、首位と12.5ゲーム差の4位に位置する。ワイルドカード・レースでは、2位まで9.5ゲーム差の7位だ。ゲーム差もさることながら、ここからポストシーズン進出圏内まで上昇するには、追い抜かなければならないチームが多すぎる。
けれども、今シーズン、大谷とチームメイトだった選手のうち、何人かはポストシーズンに出場できそうだ。
9月1日に同じ試合で登板した2人、ハンター・ストリックランド(ミルウォーキー・ブルワーズ)とトニー・ワトソン(サンフランシスコ・ジャイアンツ)のうち、ストリックランドはまず確実だろう。
ブルワーズは地区首位にいて、2位とは10.5ゲームの差がある。エンジェルスからブルワーズへ移籍後、ストリックランドは25登板で防御率1.30を記録している。エンジェルスでは、9登板で防御率9.95。その前のタンパベイ・レイズでは、13登板で防御率1.69だった。投球全体に占めるスライダーの割合は、7月半ばに「防御率9点台でもエンジェルスは手放すべきではなかった!? 獲得前は1点台、放出後は10登板とも無失点」で書いた時点よりも、わずかながら高まっている。
ワトソンの防御率は、移籍前の36登板が4.64、移籍後の13登板は2.92だ。ただ、ジャイアンツがポストシーズンへ進む可能性は高いものの、地区優勝ではなくワイルドカードの場合、1試合で姿を消してもおかしくない。そうなると、ワトソンはポストシーズンで登板せず、オフを迎える可能性もある。
ジャイアンツでワトソンと再びチームメイトになったホゼ・キンターナは、ポストシーズンのロースターに入れるかどうか、まだ予想しにくい。エンジェルスでは、先発10登板で防御率8.23、救援14登板で防御率3.93。リリーフ登板時のゴロ率は50%を上回り、18.1イニングで奪三振22と与四球3を記録した。ジャイアンツはこのあたりを評価し、獲得したのかもしれない。8月31日のジャイアンツ初登板は、3.1イニングを投げて6三振を奪い、与四球と被安打は1ずつ。失点はなかった。
ロサンゼルス・ドジャースへ移ったアルバート・プーホルスは、控えの一塁手と代打要員として、ポストシーズンのロースターに入りそうだ。ドジャース入団後、プーホルスは66試合で10本塁打とOPS.763。この数値は、対左に限ると、8本塁打とOPS.946となる。今シーズンのドジャースで一塁手として先発出場した6人中、プーホルス以外は5人とも左打者だ。また、プーホルスはドジャースで、代打として打率.360(25打数9安打)を記録している。
プーホルスにも、ワトソンのようなこと――自身は出場しないまま、チームが1試合で敗退――は起こり得る。現在、ドジャースはジャイアンツと地区首位を争っている。どちらか一方が地区優勝を飾り、もう一方はワイルドカードを得るはずだ。今オフ、プーホルスは引退を表明してもおかしくない。
アンドルー・ヒーニーが移籍したニューヨーク・ヤンキースは、地区優勝よりもワイルカードでポストシーズンへ進みそうだ。現時点ではワイルドカード・レースのトップにいて、地区首位のレイズには7ゲーム差をつけられている。
それ以前に、ヒーニーはポストシーズンのロースター入りに疑問符がつく。移籍後の5先発は防御率6.23。その後、ブルペンから登板した8月30日は、いきなり大谷にホームランを打たれ、次のイニングも長打2本を喫した。
エンジェルスから移籍後、メジャーリーグ出場がない選手も、8月31日までに入団しているので、ポストシーズンのロースターに入る資格はある。