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筒香嘉智が代打でシーズン初ホームラン。日本人メジャーリーガーの「代打本塁打」は何本目!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
筒香嘉智(ピッツバーグ・パイレーツ)Aug 20, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 8月20日、筒香嘉智(ピッツバーグ・パイレーツ)は、9回表に代打として起用され、シーズン1本目のホームランを打った。昨シーズンの8本塁打は、いずれも先発出場した試合で記録している。

 日本人メジャーリーガーによる代打本塁打は、これが11本目。井口資仁福留孝介イチロー大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)の4人は、2本ずつ打っている。大谷は、1シーズンに2本だ。

筆者作成
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 ビハインドから同点に追いついたのは、井口の1本目。田口壮の3ラン本塁打は2点差をひっくり返した。イチローの2本目と大谷の1本目は、同点からの勝ち越しだ。イチローの代打本塁打2本は、メジャーリーグでレギュラーシーズンに打ったホームランの114本目と117本目。後者は、キャリア最後のホームランとなった。この年、イチローは代打として27安打を記録した。それについては「イチローが塗り替えられなかった代打のシーズン安打記録。最多の打者はまさに「切り札」だった」で書いた。

 2018年7月8日の大谷は、ジェフリー・マルテの代打として打席に立ち、JT・シャギワからホームランを打った。マルテは、翌年から阪神タイガースでプレーしている。シャギワは、2020年に東北楽天ゴールデンイーグルスで31試合に登板した。大谷にホームランを喫した当時は、ロサンゼルス・ドジャースに在籍。今シーズンは、7月29日にシアトル・マリナーズからタンパベイ・レイズへ移った。移籍前の6月5日には、再び対戦した大谷(この試合は先発出場)を空振り三振に仕留めている。シャギワのトレードについては「夏のトレードで動いたNPB経験者は3人。東北楽天で一緒だった2人は、再びチームメイトに」で書いた。

 また、田口と松井秀喜は、ポストシーズンでも代打本塁打を1本ずつ記録した。田口は、2006年のディビジョン・シリーズ第3戦。その次に出場したリーグ・チャンピオンシップ・シリーズ第2戦は、8回裏からレフトの守備について9回表にホームランを打ったので、こちらは代打ではないものの、2打席連続ホームランとなった。1本目は勝利につながらなかったが、2本目は6対6からの勝ち越しソロ。そこから、セントルイス・カーディナルスは2点を追加し、シリーズを1勝1敗とした。この年、カーディナルスはワールドシリーズで優勝している。

 松井がポストシーズンで代打本塁打を打ったのは、2009年のワールドシリーズ第3戦だ。こちらは、DH出場の第2戦に続く、2試合連続ホームラン。第3戦から第5戦はDHがなく、松井は代打として起用された。このシリーズのホームランは3本。3本目を打った第6戦は、1試合6打点も記録し、シリーズMVPに選ばれた。ニューヨーク・ヤンキースのワールドシリーズ優勝は、この年を最後に途絶えている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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