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大谷のホームランとフレッチャーの単打はどちらも両リーグ最多。この組み合わせのチームメイトは稀!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
デビッド・フレッチャー(左)と大谷翔平 May 3, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)は、39本のホームランを打っている。一方、大谷とチームメイトのデビッド・フレッチャーは、112本のシングル・ヒット(単打)を打っている。これらの本数は、どちらも、今シーズンのメジャーリーグで最も多い。大谷のシングル・ヒットは40本。ホームランより1本多いだけだ。フレッチャーのホームランは、7月9日と11日の計2本。規定打席以上の選手のなかで、0本のニッキー・ロペス(カンザスシティ・ロイヤルズ)に次いで少ない。

 サンディエゴ・パドレスにも、大谷とフレッチャーと同じような組み合わせの2人がいる。フェルナンド・タティースJr.の34本塁打とアダム・フレイジャーのシングル・ヒット105本は、ともにナ・リーグでは最も多い。タティースJr.のシングル・ヒットは42本。フレイジャーは7月下旬にピッツバーグ・パイレーツから移籍するまでに、4本のホームランを打った。その後は0本だ。

 同じシーズンに、リーグ最多のホームランとリーグ最多のシングル・ヒットをそれぞれ記録したチームメイトは、調べたところ、1901年以降のナ・リーグとア・リーグに、延べ39組が見つかった。同じ選手がどちらもリーグ最多は、ここには含めていない。例えば、タイ・カッブが1909年にデトロイト・タイガースで記録した、9本のホームランと164本のシングル・ヒットは、どちらも両リーグで最も多かった。

 本塁打王を獲得した選手のうち、リーグ最多のシングル・ヒットを記録した選手とチームメイトだったシーズンが最も多いのは、フィラデルフィア・フィリーズ一筋にプレーしたマイク・シュミットだ。36本塁打の1974年と38本塁打の1975年は、チームメイトのデーブ・キャッシュがそれぞれ167本と166本のシングル・ヒットを打った。31本塁打の1981年は、ピート・ローズがフィリーズで117本のシングル・ヒットを記録している。

 リーグ最多のシングル・ヒットを打った選手では、ドク・クレイマーが3度、本塁打王とチームメイトだった。170本の1935年と147本の1939年は、ともにプレーしたジミー・フォックスが、それぞれ36本塁打と35本塁打を記録した。159本の1943年は、チームメイトに34本塁打のルディ・ヨークがいた。3度ともチームは違い、1935年がフィラデルフィア・アスレティックス、1939年がボストン・レッドソックス、1943年はタイガースだ。

 直近の20組は、以下のとおり。過去5シーズン(2016~20年)は4組を数える。大谷とフレッチャーがここに加われば、エンジェルスでは2000年のトロイ・グロスダリン・アースタッドに続き、2組目となる。タティースJr.とフレイジャーがそうなれば、パドレスでは初だ。1986年のトロント・ブルージェイズでこの組み合わせとなったジェシー・バーフィールドトニー・フェルナンデスは、2人とも後に日本プロ野球でプレーした。

筆者作成
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 ちなみに、2000年のアナハイム・エンジェルスは82勝80敗。ア・リーグ西地区の4チーム中3位に終わった。アースタッドは170本のシングル・ヒットに加え、240安打も両リーグ最多ながら、首位打者は獲得していない。打率.355はリーグ2位。レッドソックスのノマー・ガルシアパーラが、197安打で打率.372を記録した。現時点のフレッチャーは、139安打がリーグ2位、打率.298は8位。それぞれのリーグ・トップは、140安打(打率.315)のセドリック・マリンズ(ボルティモア・オリオールズ)と打率.328(124安打)のマイケル・ブラントリー(ヒュートン・アストロズ)だ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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