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チームメイトが「同じ試合で450フィート以上の本塁打」は今年3度目。一方は今年最長の486フィート

宇根夏樹ベースボール・ライター
トミー・ファム(サンディエゴ・パドレス)Aug 17, 2021(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 8月17日、サンディエゴ・パドレスの3選手が、7回表にホームランを打った。スタットキャストによると、それぞれの推定飛距離は、フェルナンド・タティースJr.の34号が450フィート(約137.2m)、ジェイク・クローネンワースの18号が400フィート(約121.9m)、トミー・ファムの13号は486フィート(約148.1m)。ちなみに、クローネンワースの打球は、フェンスを越えなかった。ランニング本塁打だ。

 クローネンワースの直後に打った、ファムのホームランは、今シーズン最長。4月8日にヤミーン・マルセイディス(シカゴ・ホワイトソックス)が記録した、485フィート(約147.8m)をわずかに上回った。

 タティースJr.とファムのように、同じ試合でチームメイトの2人が450フィート以上のホームランを打ったのは、今シーズン3度目だ。5月24日にトロント・ブルージェイズのブラディミール・ゲレーロJr.テオスカー・ヘルナンデスが461フィート(約140.5m)と457フィート(約139.3m)、6月20日にコロラド・ロッキーズのトレバー・ストーリーC.J.クロンが466フィート(約142.0m)と456フィート(約139.0m)を記録している。どちらの2人も、同じイニング。ゲレーロJr.とヘルナンデスは2者連続で、ストーリーとクロンは連続ではないが、1イニング4本の2本目と3本目だった。

 サンプル数はごくわずかながら、この3試合中2試合は、コロラド州デンバーのクアーズ・フィールドで行われた。また、450フィート以上のアベック・アーチに共通するのは、どの試合もチームが敗れていることだ。5月24日のブルージェイズは8対14(タンパベイ・レイズ)、6月20日のロッキーズは6対7(ミルウォーキー・ブルワーズ)、8月17日のパドレスは3対7(ロッキーズ)で黒星を喫した。パドレスの場合、クローネンワースのランニング本塁打を含め、3本ともソロ。他の8イニングは、二塁へ進むことすらできなかった。

 なお、2015年以降の「スタットキャスト・エラ」において、同じ試合でチームメイトの3人以上が450フィート以上のホームランを打ったのは、見落としがなければ、2度だ。1度目は2016年4月22日に、ピッツバーグ・パイレーツのショーン・ロドリゲスグレゴリー・ポランコジョディ・マーサーが458フィート(約139.6m)と461フィート(約140.5m)と466フィート(約142.0m)、2度目は2ヵ月後の6月26日に、ロッキーズのチャーリー・ブラックモンカルロス・ゴンザレスマーク・レイノルズが451フィート(約137.5m)と455フィート(約138.7m)と464フィート(約141.2141.4m)を記録した。

 こちらは、2試合とも、アリゾナ・ダイヤモンドバックスを相手に勝利を収めた。球場は、アリゾナ州フェニックスのチェイス・フィールドとクアーズ・フィールドだ。この計6人中、ポランコとブラックモンは現在も同じチームにいて、マーサーはワシントン・ナショナルズに在籍している。また、計6本塁打のうち、レイノルズの1本を除く5本は、パトリック・コービン(現ナショナルズ)が打たれた。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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